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北京五輪のオランダは怖れるに足らず。  

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2008/05/15 00:00

 北京五輪の組み合わせが決まった数日後、バイエルンのスタジアムでオランダ人記者と出くわした。日本はオランダ、ナイジェリア、アメリカ合衆国と同じグループB。彼らに印象を聞いておかない手はない。

 テレグラフ紙のエース記者、ファンデンブースケンはこう言い切る。

 「突破するのはオランダとアメリカ。日本は最下位じゃないかな」

 どうやらオランダ人には社交辞令というものがないらしい。一緒にいたオランダ国営放送のグルーターは「オランダとナイジェリアが突破」と続けた。

 「たしかにフェンロのホンダはいい選手だ。でも、彼が11人いるってわけじゃないだろ? 2005年のワールドユースでオランダは日本に勝っているしね。まあ正直、日本のことはよく知らないけど、オランダより下。金メダルはアルゼンチンなんじゃない?」

 眼中にない。オランダ人記者と話した率直な感想だ。彼らは日本にグループリーグ突破を阻まれるなど微塵も考えていなかった。

 こうなったらオランダの弱点でも聞き出してやろうと、チクチク細かい質問をぶつけてみた。

 「布陣は4―4―2。デハーン監督はこのシステムで、2大会連続でU―21欧州選手権を優勝している。先発を予想できないほど、人材が充実しているんだ」

 ただ、オーバーエイジ枠に話題が及ぶと、彼らの表情が少しだけ曇った。

 「元代表のマカーイの出場は決定。彼はキャプテンも務める。ただ、残りの2人は……。実は人選が難航している」

 オランダには五輪出場を希望しているベテランが少なくない。バイエルンのファンボメルしかり、ACミランのセードルフしかり。しかし、所属クラブが許可を出してくれないのだ。ユーロに出場した選手は基本的に五輪には選ばない方針なので、オーバーエイジ候補になるのはシボン(ヘーレンフェーン)、クロンカンプ(PSV)といった平凡なメンバーだ。

 23歳以下でも優れた若手はユーロに出場し、名の知れたベテランも北京には来られない。必ずしもベストメンバーということではないのだ。オランダというブランドを恐れる必要はない。今こそ彼らの鼻を、へし折るときである。

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