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MLBではチョイ様が、韓流ブームの火付け役。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

PROFILE

posted2005/05/26 00:00

 『ヒーソプ・チョイ、ヒーソプ・チョイ』4万人を超える観衆の大シュプレヒコールがドジャー・スタジアムに響き渡った。4月29日のことだ。ドジャースは '55年以来最高という歴史的な開幕ダッシュを見せながら、この日までの7試合で1勝6敗と失速。チョイ自身初のグランドスラムが勝利へ導く逆転の一打となっただけに、熱狂のボルテージは一段と高まったのである。

 「相手投手が初球にファストボールを投げていたので、それを狙っていた」

 その外角のボールは、打った瞬間それとわかる打球となってセンター左のスタンドに突き刺さった。

 「いつも引っ張ることばかり頭にあった。今はボールやコースに逆らわないスイングを心掛けている」

 今季第3号となる満塁ホーマーは、まさに言葉通りのバッティングがもたらしたものだ。その3日前には2号ホーマーを含む、自己最多の1試合4安打。大器といわれ続けていた韓国期待の星はいよいよ大ブレークする気配を見せてきた。

 身長196cm、体重109kgの巨漢だが、普段はいたって温和な印象を与える。チャンホー・パク(レンジャーズ)から数えて8人目の韓国人メジャーリーガーであり、初めての野手である。強打の一塁手として注目を集めるようになったのは、19歳で出場した'98年の世界選手権で2試合連続の特大ホーマーを放ったとき。その4年後にカブスと契約。しかし、その潜在的な能力は度重なる故障や、強引なバッティングでメジャーの壁を突き破ることができず、チョイは未完の大器のままマーリンズへトレード、昨年はシーズン途中でドジャースに放出された。

 「キャンプでの練習量は一番だった」とティム・ウォーラック打撃コーチは言う。

 「引っ張り専門からフィールドの全てを使える広角打法に変えることこそ、彼のパワーを生かす道と判断した。それでマニー・モータ一塁コーチと二人三脚で精神面も含めて徹底的に指導した」

 その成果が5月7日現在で打率.276、5ホーマー、11打点という成績に表れ始めているというわけなのだ。

 今季の韓国勢はチョイを始め、パクの復活やデソン・クー(メッツ)のデビューなど、存在感を増している。どうやら、メジャーにも韓流ブームが到来しそうだ。

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