J・バトンがヨーロッパラウンド開幕戦のスペインGPを制し、4勝目を挙げた。ブラウンGPは、昨年コンストラクターズ王者のフェラーリと同様の勝ちっぷりで、まさに順風満帆である。
しかし、スペインでのこの勝利は“敵失”に助けられた面もあった。バトンは予選でPPを獲ったものの、スタート直後の1コーナーでチームメイトのR・バリチェロにかわされ、主導権を明け渡してしまった。また、予選4位のマッサがダッシュを見せ、オーダーはバリチェロ、バトン、マッサ、ベッテルに一変した。
ベッテル、バリチェロ共に、誤算だらけのレース展開。
バトンが最も警戒していたS・ベッテルは、マッサに完全に押さえ込まれ、いまひとつペースが伸びないフェラーリに従わざるを得ない展開になった。抜くポイントがほとんどないこのコースでは、唯一1047mのストレートエンド、1コーナーがチャンスゾーンなのだが、最高速で優るマッサに仕掛けることすらできなかった。ベッテルの敗因はスタートに尽きたと言っていい。
1位の座をバリチェロに譲ったバトンは、当初予定していた3回ピットストップ作戦を2回に切り替え、18-30-18周でレースを走りきる動きに出た。今年のバトンには長い周回数をハイペースでキープできる力があり、チームはそれを生かそうと考えたのだ。
一方のバリチェロは3回作戦を遂行。しかし、1回余計にピットに入るロスタイム分を稼ぎ出すだけのスピードを中盤になってから失い、51周目に逆転されてしまう。バリチェロの敗因は、少ない燃料で身軽なマシンとなりながらハイペースを貫けなかったところに尽きる。
今年のフェラーリ・チームを象徴する、マッサへの失態。
終盤、思わぬ緊急事態が発生したのはマッサだ。給油器具の“トラブル”によって計算通りに燃料が入ってないことが判明し、チームは「スローダウンしてゴールまで持たせろ」と指示。結局、それまで“完封”してきたベッテルに抜かれ、さらには地元F・アロンソにもかわされ、スペイン人ファンを狂喜させる幕切れとなった。新開発のアップデートパーツで武装して臨んだフェラーリは戦果を得られず、ブラウンGPチームは内心ほっとしたことだろう。
すべてが良い方向を向いているバトン。開幕5戦4勝、勝率8割は'04年M・シューマッハーに次ぐ快進撃である。
(更新日:2009年5月22日)































