SCORE CARDBACK NUMBER

新鋭、若手、ベテラン、それぞれの冬がスタート。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

photograph by

posted2004/11/18 00:00

 いよいよ雪と氷の季節がやってきた。'06年2月のトリノ五輪まであと1年3カ月。プレシーズンとなる今季は各選手にとって大事な大会が続く。'84年のサラエボ五輪から6大会連続でメダルを獲得しているお家芸のスピードスケートも、10月30、31日の全日本距離別選手権(長野エムウェーブ)で開幕。新鋭とベテランがそれぞれの思いを胸に熱戦を繰り広げた。

 初日に注目を集めたのは女子短距離の吉井小百合(三協精機)だった。まだ社会人2年目の19歳ながら、女子500mで前年覇者の新谷志保美(竹村製作所)を抑え、38秒71で堂々トップに立った。「結構いいタイムだと思ってドキドキしながら後のレースを見ていた」という談話が初々しかったが、翌日の2回目も38秒87をマーク。2回目の順位では新谷にトップを譲ったものの、合計1分17秒58で見事に初優勝を飾った。

 吉井は長野の東海大三高から昨季に三協精機に入社。思い切りのいい滑りでW杯の代表となり、500mの世界ジュニア記録も作った。今夏は陸上トレーニングにも力を入れ、瞬発力と同時にスタミナも養ってきた。アテネ五輪に自転車で出場した大菅小百合(三協精機)やベテランの岡崎朋美(富士急)らがまだ未調整だったのは事実だが、それを割り引いても、吉井が世界のトップレベルにあることは間違いなさそうだ。

 男子の500mは昨季からW杯で活躍している加藤条治(三協精機)が1、2回目とも1位となり、合計1分10秒91で2連覇。30歳になった清水宏保(NEC)は3位に終わった。ここ数年、清水は意識してスローペースの調整を続けている。今季もトリノ五輪代表を懸けた来年3月の世界距離別選手権を最大の目標としており、「今はまだスピード系の練習もしていない」状態では本人も納得の結果だろう。もちろん、体力的な衰えはあるが、これまで培ってきた技術と経験は年齢のハンデを補って余りあるに違いない。

 中長距離では女子1500mで6連覇を達成した田畑真紀(ダイチ)の安定した滑りが目をひいた。昨季はどこの企業にも所属しない浪人生活を送ったが、今季は男子選手と一緒のトレーニングでさらにパワーアップ。心機一転した女王がW杯でどんな滑りを見せてくれるか楽しみだ。

ページトップ