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注目ルーキー大場翔太は、ガムシャラに壁を越える。 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2008/02/28 00:00

 滅多にブルペンには姿を見せないソフトバンク・王貞治監督が、今季のキャンプでは第1クールに2度も足を運んだ。6球団競合の末に獲得したドラフト1位ルーキー、大場翔太(東洋大)のピッチングを見るためである。

 楽天・長谷部康平(愛工大)、ヤクルト・加藤幹典(慶應大)とともに、大学出身ルーキービッグ3と呼ばれる逸材だ。王は、高校生ドラフトの抽選で中田翔を外した後、大学生ドラフトでは地元・福岡大の白仁田寛和を回避して、競合が予想される大場指名に踏み切った。それは、大学時代に見せた大場のスタミナを高く評価したからだった。

 東洋大4年の昨年、春はリーグタイの9勝、秋は8勝をあげて東都大学リーグ連覇に貢献し、MVPを獲得。明治神宮野球大会では、2完封を含む3連続完投勝利で優勝投手となった。このとき、3連投の3試合目が最も球威があったと伝え聞いた王は、「その頑丈な体なら大丈夫だ」と考えたという。このところのソフトバンクは故障者続きだったため、「頑丈」という言葉がよほど魅力的だったのかもしれない。

 キャンプ初日にいきなり100球以上を投げた大場に対して、「体が張って明日は休むよ」と予想していた王だが、2日目、そして3日目も同じように100球近くを投げる姿を見て、「こりゃ、本物だ」と舌を巻いた。

 しかし、杉本正・投手コーチの見方はちょっと違う。西武の投手コーチだったころ、新人時代の松坂大輔を見ていた経験から言う。

 「あのころの大輔は、100球を超えるころ、良い球と悪い球の区別がはっきりと出てきた。踏み出す左足がクロスに入るときは良い球、開いてしまうと抜ける球になる。でも、そこさえ見ておけば大丈夫だと思った。大場は大輔と比べると不器用で、これから必ず壁にぶち当たると思う」

 ただ、当面はやり方を変えるつもりはないという。

 「大輔は常に上を見ていたが、大場にはそんな余裕はないはず。その精一杯の部分を大切にしてあげたい」

 持ち前のガムシャラさが吉と出るか、凶と出るか。まずはローテーション入りが目標となる。

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