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「世代間格差」問題の前に
日本がやるべきこと。
~サッカー教育は進歩したか?~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byMasako Sueyoshi

posted2009/09/08 06:00

「世代間格差」問題の前に日本がやるべきこと。~サッカー教育は進歩したか?~<Number Web> photograph by Masako Sueyoshi

 若い選手にとって貴重な国際試合の場となる、毎夏恒例のSBSカップ。今年はホストの静岡ユース(県選抜)のほか、日本、フランス、メキシコの各U-18代表が出場して行われた。

サッカー先進国でも世代間の実力差は悩みの種。

 今回取材していて興味深かったのは、出場した海外2カ国のU-18代表監督が偶然、同じ話題に言及したことだ。

 テーマは「世代間格差」である。

「世代によって当たり外れはある。試合と同じで、勝つこともあれば、負けることもあるということだ」

 そう話したのは、フランス監督のフィリップ・ベルジェロである。ベンゼマ、ナスリ、ベンアルファらを擁して、'04年にU-17ヨーロッパ選手権を制した世代を引き合いに出し、「(今回来日した)この世代は飛び抜けているわけではない」と断じた。

 対照的に、メキシコ監督のフアン・カルロス・チャベスは、「今回のU-18代表に関して言えば、運に恵まれた」。その理由は「背が高い上に、技術がしっかりした選手が多い」から。小柄な選手が多いメキシコにしては、この世代には将来有望な大型選手が揃ったのだという。

 サッカー先進国と言えども、やはり世代ごとに「当たり外れ」や「運不運」はある。日本でもタレント不足が叫ばれて久しいが、どんなに優れた選手育成法をもってしても、常に“黄金世代”を生み出すことは不可能ということだろう。

“黄金世代”を生み出すために日本がやるべきこと。

 とはいえ、だから当たりを待っていればいいかというと、そうではない。今大会を見ていても、日本は海外勢と互角の試合ができていたが、細かなプレーの内容には明らかな差が存在していた。

 顕著だったのは、パススピードの違いである。フランスの選手が受け手の足にぶつけるような強さでパスを出すのに比べ、日本のパスはかなり弱かった。そのため、トラップでDFの逆を取ったり、そのままスピードに乗って相手をかわしたりができない。

 日本が不得手とされる1対1の勝負でも、その予備段階で有利な状況を作れるか否かを考えると、一見無関係なようだが、パススピードの影響は大きいのではないかと思う。

 人間の手が及ばない「当たり外れ」はあるとしても、当たりを待つ前に、やっておくべきことはいくらでもある。

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