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低年齢化著しいGPに、乗り遅れる日本レース界。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2004/12/02 00:00

低年齢化著しいGPに、乗り遅れる日本レース界。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 最終戦が行われたスペイン・バレンシアで、早くも来年に向けてテストが始まった。コース上では、チームを移籍する選手たちがマシンを乗り換えて走行を始めている。WGPでは、選手とチームの契約は通常12月31日まで。しかし、慣例ではよっぽどのことがない限り、最終戦を最後に新チームへの合流が認められている。それだけに、最終戦を終えた直後の合同テストは、一年でもっとも興味深いテストとなる。ライダーがマシンを乗り換えることで、ライダーのポテンシャルはもちろんのこと、マシンの優劣など、様々な比較材料が生まれるからだ。

 今回のテストでもっとも注目を集めたのは、ライダー、コンストラクターの両タイトルを獲ったホンダで、250ccクラスのワークスマシンに乗る若い選手たちだった。今年、史上最年少19歳で250ccクラスチャンピオンに輝いたD・ペドロサを筆頭に、125ccチャンピオンのA・ドヴィツィオーゾ(18歳)、総合2位のH・バルベラ(18歳)、総合4位のJ・ロレンゾ(17歳)。15歳から参戦できる125ccクラスの低年齢化は、この数年、急激に進んでいるが、その波がいよいよ250ccクラスに押し寄せたことを感じさせた。

 '90年代以降、WGPに登場した日本人選手たちは、5歳前後からポケバイに乗り、日本でトップレベルの力を身につけ、世界に飛び出し衝撃を与えた。子供のころからポケバイに乗って……というのはいまも変わらないが、低迷する国内のレース環境は、世界に通用する選手を育てる場所ではなくなった。そういう背景もあり、今年から「ホンダレーシング・スカラシップ」がスタートした。その第1期生として青山博一(23歳)が250ccクラスに参戦。来季は第2期生として高橋裕紀(20歳)のデビューが予想されるが、テストに参加した顔ぶれを見ていると、高橋も決して早いデビューではないことを実感させられた。

 10代にしてキャリア3〜5年という若い選手たちの表情は、そのあどけなさとは対照的に、高額の契約金を手にするプロスポーツ選手としての自信と風格をも感じさせるものだった。それは、WGPにおいて登龍門的存在の125ccクラスでさえ、急速にプロスポーツ化の道へ突き進んでいることを証明している。そして近い将来の、大きな世代交代を感じさせるものだ。

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