SCORE CARDBACK NUMBER

売り上げ回復に挑む
JRAの2つの作戦。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byKeiji Ishikawa

posted2008/01/17 00:00

売り上げ回復に挑むJRAの2つの作戦。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

 '07年のフィナーレ有馬記念は、中山巧者マツリダゴッホの「怪勝」。想像しにくかった結果となったことで、年度代表馬の選出は難航必至だ。思わぬ浮上はアドマイヤムーン。グランプリを戦わずに引退した時点で圏外に去った感があったが、こうなってみるとその残像が再び鮮やかな色を放って見えてくる。ライバル・メイショウサムソンを急所で2回負かしているのがクローズアップされる。

 「負けられない戦い」と、強い決意を表明して臨んだメイショウサムソンの武豊騎手だったが、それが珍しく硬さとして出たのか、大事に乗り過ぎた印象は否めない。同様に、世界一の腕を買われて超短期免許でやってきてロックドゥカンブに騎乗したキネーンも、今回の有馬記念だけは上手に乗ったとは思えなかった。

 世界一の馬券の売り上げを誇る超ビッグレースは、歴戦の名騎手の平常心をも惑わせるのかもしれない。

 売り上げということで言えば、'07年も前年を上回ることができなかった。'97年の4兆円をピークとして、その後は10年連続の減少。賞金額は頭打ちになり、各種手当てが密かに減らされていることが原因なのか、馬主さんの数もすでに危険水域と言えるぐらいに減ってきている。

 なんとかして状況を打開したいJRAは、「JRAプレミアム」という企画を出してきた。年間14レースに限ってだが、通常の払戻金に売り上げの5%相当の金額を上乗せするというものだ。まずは当ててこそではあるが、イメージだけではなく具体的なお得感を打ち出してきたのは評価できる。こういう競馬法の改正は大いに歓迎したい。「JRAプレミアム」は年明けの東西の金杯が最初の対象レースだった。あとはダービーと、有馬記念当日の中山、阪神、中京の全特別レースが「プレミアム」となる。

 「プラス10」というのも同様の企画。これまで、当たっても1.0倍という払い戻しがあったわけだが、今後は原則的に1.1倍以上となるというものだ。多くは複勝式の馬券にそれが当てはまるはずだが、大口の購入者以外にはあまり関係のないことのような気もする。JRAとしては、昔のように本命馬の複勝に大金を突っ込む購入層の復活を期待しているのかもしれない。

関連キーワード
マツリダゴッホ
武豊
有馬記念

ページトップ