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川崎のACL敗戦から、
アウェーゴールを考える。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byTomoki Momozono

posted2007/11/01 00:00

川崎のACL敗戦から、アウェーゴールを考える。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

 G大阪が、鹿島との準決勝を“アウェーゴール・ルール”で制し、ナビスコカップ決勝進出を果たした。

 アウェーゴール・ルールとは、ホーム・アンド・アウェーの2試合を終え、勝利数、総得点で並んだ場合、アウェーゴール、つまり敵地での得点の多いほうが勝ち上がる、というもの。ヨーロッパのカップ戦などでは当たり前のこのルールも、日本では昨年のナビスコカップから取り入れられたばかりだ。

 つまり、日本の選手やサポーターにとっては、これまで内容を頭では理解していても、肌感覚で知る機会はほとんどなかったわけである。今年のAFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)では、その経験の必要性を思い知らされた。

 準々決勝でセパハン(イラン)と対戦した川崎は、第1戦をアウェーで0対0と引き分けた。ホームで勝ち、アウェーで引き分けるのが、ホーム・アンド・アウェーの戦い方の原則とされる。その点で言えば、上々の結果のはずだった。

 ところが、第2戦、ホームで勝てばいい川崎の攻撃は、予想外に重かった。1点あれば勝てる。だが、もし1点を失えば、アウェーゴール・ルールにより、2点が必要になる。守備を固めてカウンターを狙う相手を前に、川崎もまた、重心は後ろにかかっていた。その結果が、0対0の末のPK戦敗退である。

 ACLはもちろん、今後はワールドカップ予選でも、この大会方式に直面することがあるかもしれない。ホームだからと無闇に前がかりにはなれないが、慎重になりすぎれば、相手の思うツボ。国際舞台で戦っていくには、こうした微妙な感覚に慣れていかなければならない。

 ナビスコカップ決勝でG大阪と対戦するのは、その川崎である。横浜FMとの準決勝では、アウェーの第1戦を2対1と勝って迎えた、ホームの第2戦で逆転勝ち。同点ゴールを決めたDF伊藤宏樹は、「1点はやってもいいという意識があった」と言い、だからこそ「先制されても慌てず、思い切って前へ出ていけた」と振り返った。

 1点が大きく状況を変えてしまうアウェーゴール。それは見るものにとって、カップ戦特有の楽しみとなる。だが、ピッチ上の選手には、そのスリルとうまく付き合うことが必要なのである。

■関連リンク► 厳しい闘いは免れない、ACLの大会新方式。 (2009年3月12日)
► 好調・川崎Fを支える、中村憲剛の“無理”。 (2006年5月8日)

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