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好調ピストンズを支える、ホームコートの大合唱。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2006/01/12 00:00

 デニス・ロッドマンがNBAのコートから去って久しい今、NBAで最も人々の神経に障るものといえば、デトロイト・ピストンズのホームコートで聞かれる「デートローイト・バスケットボール」の合唱だ。ピストンズがリバウンドやスティールでボールを奪うたび、場内アナウンサーとファンが声をあわせて叫ぶ。ピストンズ・ファンにとっては鳥肌が立つほど誇らしく、相手チームのファンはテレビから聞こえてくるだけで耳をふさぎたくなる瞬間だ。

 ファンの声援までが嫌われるのは、ピストンズがそれだけ強い証でもある。2年前にNBA優勝、昨季もNBAファイナルで7試合にわたる熱戦を戦い、あと一歩で連覇を逃したピストンズだが、昨季後に名将ラリー・ブラウンが去ったことで、今季も強いピストンズのままでいられるかどうかを疑問視する声もあった。ところが開幕から1カ月半がたち、イーストのライバルたちがコーチ交代(マイアミ)や中心選手のトレード要求(インディアナ)で揺れるのを尻目に、勝率8割を超える快進撃でカンファレンス首位を独走中(12月15日現在)だ。

 好調の理由を聞かれ、チャンシー・ビラップスは「僕ら選手にも誇りというものがあるからね」と説明した。テイション・プリンスも「プレイヤー同士の相性はとても大事だ。コーチは代わってもそれは昨季から変わらない」と指摘する。

 確かにピストンズはヘッドコーチこそブラウンからフリップ・サンダースに代わったものの、先発5人を含めて、核となる選手は全員昨季のまま入れ替わっていない。当然チームワークは抜群である。しかも昨季の優勝をあと一歩のところで逃した悔しさに選手を軽視された憤慨が加わり、モチベーションも十分。シーズン序盤の好成績につながっている。

 ピストンズの選手にとって、ファンの声援は何よりも励みなのだという。

 「デトロイトのファンは寒くても雪が降っても、僕らを応援するためにアリーナに来てくれる。僕らが彼らのためにできるのは、応援したくなるようなプレーをすることだ」とベン・ウォレスは言う。

 どうやら、非ピストンズ・ファンにとっては、まだしばらく「デートローイト・バスケットボール」の大合唱を我慢しなくてはいけない日々が続きそうだ。

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