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「魔裟斗vs.KID」は我々に何を見せるのか。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

posted2004/11/18 00:00

 「Dynamite!!」vs.「PRIDE男祭り」。昨年同様、今年も大晦日は格闘技興行戦争が勃発することになった。大阪ドームでの開催が決定したDynamite!!は、“中量級のドリームカード”魔裟斗(シルバーウルフ)と山本“KID”徳郁(PUREBRED東京)で勝負をかける。

 ルールはK―1。ワールドMAXのエース魔裟斗に「俺は格闘技の神様の子」と自らの素質に絶対の自信を持つ総合格闘家のKIDが挑む図式となるが、単なる他流試合には終わりそうもない。何しろKIDはレスリングの世界王者・美憂と聖子を姉と妹に持つ格闘技界のサラブレッド。既にK―1マッチも経験済みで、そのデビュー戦で実力派の村浜武洋(大阪プロレス)をKOで撃破した。その後もバーリトゥードを中心に3連勝中。中でも、10月13日、ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)を右ストレート一発で失神KOに追い込んだ一戦は記憶に新しい。

 ヘビー級では'97年7月にフランシスコ・フィリォ(ブラジル)がK―1デビュー戦でアンディ・フグ(スイス)を1回KOで破った例がある。ただ、ヘビー級と中量級は事情が異なる。魔裟斗がKIDに完敗を喫するようなことになれば、着実なキャリアの積み重ねが美徳とされる階級制競技の否定になりかねない。以前のデータを払拭するかのように、一発を持つ者は全ての常識や価値観を引っくり返すことができる。

 キャリアだけではなく、体格も例外だ。というのもKIDは身長163cm、体重65kg前後と中量級戦士としては小柄な部類に属する。試合当日にはナラントンガラグとも10kg以上の差があったと思われるが、体格的なハンディを感じさせることはなかった。試合開始早早、KIDの「ヘビー級並み」ともいわれるプレッシャーをまともに受けたら、魔裟斗といえども後退を余儀なくされるだろう。勝機があるとすれば、蹴り中心のコンビネーションに活路を見出すしかあるまい。ストライカーとして鳴らすKIDではあるが、その攻撃の大半はパンチで蹴りはほとんど使わない。魔裟斗が蹴りの距離で闘うためには、今夏ブアカーオに何度も決められた前蹴りやK―1で流行中のヒザ蹴りが有効だ。「向こうが神の子ならば、俺は努力の子」と言い返す魔裟斗は総合力で勝負する。

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