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物量作戦で反撃開始。ホンダの王座奪還なるか。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2008/06/26 00:00

物量作戦で反撃開始。ホンダの王座奪還なるか。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 モトGPクラスはここまで7戦を終え、3年ぶりのタイトル奪還を目指すV・ロッシと、初タイトル獲得に燃えるD・ペドロサの2人が、頭ひとつ抜け出した状態にある。シーズン中盤戦の山場、イタリアGPとカタルニアGPの2連戦では1勝1敗。それぞれの地元で勝利を手に入れた格好だ。

 今年は開幕戦からヤマハ勢の好調さが際立っている。ロッシは3勝を含んで6回表彰台に立ち、ヤマハ全体としては4勝のべ11回の表彰台を獲得した。対してホンダは、ペドロサの2勝を含む6回の表彰台のみ。昨年のチャンピオン、ドゥカティは、C・ストーナーの1勝を含む4回の表彰台だけ。ヤマハの仕上がりの良さが、数字に如実に表れている。

 しかしここへ来て、ホンダが猛烈な反撃を開始した。第6戦イタリアGPでは、テストライダー岡田忠之が、エンジンにニューマチックバルブを採用したマシンで参戦して注目を集めた。

 高回転を可能とするニューマチックバルブは、すでにヤマハ、スズキ、カワサキの3メーカーが採用している。ホンダはこのエンジンをシーズンオフに登場させたが、実戦投入したのは初めてである。ここまではスプリング方式のスタンダードエンジンで互角に戦ってきた。

 だが、ニューマチックバルブ有利といわれる高速サーキットのカタルニアでも、ペドロサはスタンダードエンジンで圧勝。ニューマチックを温存しての勝利は、ライバルチームに脅威を与えた。

 山野一彦ホンダチーム監督は、「とりあえず今回は勝てたが、まだまだ負けている部分がある。ヤマハとドゥカティに追いつけ追い越せです。スタンダードエンジンもこれまで通り開発は続けていく。ニューマチックも、やっと実戦に投入できるレベルまで仕上がってきた。将来的には、コースによってこの2つのエンジンを使い分けていきたい」と、新戦略を明かした。

 昨年はドゥカティが勝ち、今年はヤマハが先行している。タイトル奪還に燃えるホンダは、先行逃げ切りを得意とするペドロサを、これまで以上にハード面でバックアップしていく作戦だ。

 2タイプのエンジンを並行開発していく物量作戦。他メーカーには決して真似の出来ない芸当である。

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