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玉田誠よ、日本GPで本来の走りを取り戻せ。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2005/09/15 00:00

 玉田誠が低迷している。11戦を終えて総合12位。ここまで7位が最高位と、どん底と言ってもいい状態だ。昨年はシーズン2勝を上げた。勝ち星だけなら、V・ロッシ、S・ジベルノーに続いて3番目の成績だった。当然、今年の開幕前は大活躍が期待されていた。

 ところが、開幕戦スペインGPは8位に終わり、第2戦ポルトガルGPでは予選中に右手を負傷して3戦を欠場することになる。復帰してからも、中団グループに埋もれることが多く精彩を欠いた。怪我のために体調が完全でないことも影響した。夏休みを挟み「怪我をする前の体調に戻った」というチェコGPでも10位と沈み、不振ぶりは深刻さを増した。

 今月18日には、昨年見事優勝を遂げた地元日本GPが待ち受けている。周囲の期待に応えるためにも、日本GPの前に本来の走りを取り戻したかった。そんな目論見が外れた玉田は、これまで見せたことのない苦悩に満ちた表情を浮かべる。

 「こんなに長いことうまく走れないのは初めて。前半戦を終えたときはこれもいい経験だと思ったけれど、ここまで悪いとそうも言ってられない」。その苦悩に満ちた言葉には、初めて味わうスランプの辛さが滲み出ていた。

 去年から今年にかけて、玉田を取り巻く環境のもっとも大きな変化は、ブリヂストンからミシュランへタイヤが変わったことだ。シーズン前のテストでは、その変化に見事に対応して素晴らしい走りを見せた。しかし、開幕戦から一転して不調に陥った。

 バイクの世界では、優秀な選手をバランス感覚が優れた選手と言う。それほどバイクのライディングは微妙なものだ。その微妙な部分を、メーカーはエンジンやサスペンションの動きとして簡単に解析する。ライダーの走りはすべてグラフにすることができるのだ。メーカーが蓄積したデータは膨大なものだが、そこには最速選手と比較して足りない部分が見えるだけで、「どうすればいいのか」の答えはない。

 復調の糸口を見失った玉田にとって、次戦日本GPこそスランプ脱出の最大のチャンスだ。彼自身がベストラップ記録を持つツインリンクもてぎには、本来の走りを取り戻すための、たくさんのヒントが潜んでいるはずだ。

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