SCORE CARDBACK NUMBER

今春、日本MMAは2つのフェザー級GPが焦点に。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySusumu Nagao

posted2009/03/26 06:17

 フェザー級に春一番が吹き荒れる。

 この3月、国内の二大MMAプロモーションが競い合うようにフェザー級GPを行うことになった。先陣を切って3月8日に開催されたのはDREAMフェザー級GP。“速く、美しく、強い”をコンセプトに63kgの契約体重でスタートした一回戦は全体的に試合内容が今ひとつ。膠着状態に陥ると、観客席から遠慮なくブーイングが飛んだ。終わってみれば、ワンマッチでキッチリ一本をとった青木真也や川尻達也の方が大きなインパクトを残した気がする。

 その要因としては勝ちを意識しすぎて必要以上に肩に力が入ってしまったのに加え、初の大舞台というプレッシャーから本来の動きができなかったことが考えられる。“KIDの一番弟子”山本篤を2-1の判定で振り切った“足関十段”今成正和はそのどちらも否定しなかった。

 もっとも、一回戦だけで結論を出すのは早計だろう。アメリカWECからUターン組の高谷裕之はKOで幸先いいスタートを切ったし、全米レスリング選手権優勝の実績を引っさげて今回プロデビューを果たしたジョー・ウォーレンはとてもMMA初戦とは思えないほどのポテンシャルの高さを見せてくれた。6月上旬開催予定の2回戦からは大本命の山本“KID”徳郁もシード選手として出場する。勝ち残った選手の誰もが打倒KIDという共通目標を持つだけに、2回戦以降はよりシビアな空気が漂うことは確実。本領発揮はみなこれからだろう。

 後発の戦極フェザー級GPは3月20日に開幕。65kgの契約体重で争われるこちらのGPには“修斗の子”日沖発、現パンクラスフェザー級王者マルロン・サンドロ、先日高校を卒業した山田哲也ら実力派や個性派が勢揃い。国内外を問わず若い選手を集めたという印象が強い。

 70kg半ば以上の魅力的で強い選手はUFCを筆頭とするアメリカの大手プロモーションが買い占めしているのが実情だ。ならば、軽量級に活路を見出そうとするDREAMや戦極の経営方針は間違っていない。ただ、せっかく軽量級の祭典を開催するならば、契約体重を合わせたうえでの合同開催、ぐらいの大イベントを考えてもよかったように思う。格闘技界に漂う沈滞ムードを払拭するには、並のカンフル剤では効かないからだ。

ページトップ