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メディアが心配するほど絶好調のエンゼルス。 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2008/09/04 00:00

メディアが心配するほど絶好調のエンゼルス。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「ミネソタを懐かしく思うことはあっても、まったく悔いはないね。このチームが大好きだし、僕の選択に間違いはなかった」いつもの人好きのする顔立ちで、トリー・ハンター外野手は言う。球団史上最高額の5年9000万ドルでロサンジェルス・エンゼルスに移籍。そのチームが今シーズン、圧倒的な強さでペナントレースをぶっちぎっているのだから当然だろう。

 数字を並べると、今季いかにエンゼルスが独走状態にあるか実感できる。8月12日現在、他地区の最大が3ゲーム差のなか、地区2位レンジャーズとは何と 15ゲーム差。ソーシア監督は「ゲーム差なんて何の意味もない。目先の試合にフォーカスして戦っていくだけ」と謙虚な姿勢を崩さないが、プレーオフ常連のエンゼルスにあってこの差は球団史上最大で、現時点での勝率で行けば'02年に記録した99勝を越えて球団新記録の103勝することになる。直前に地元で行われたヤンキース戦では3連勝したことにより、強豪ヤンキースとレッドソックスを抑えて'05年以降では352勝という最多勝利数も記録したのだ。

 投手陣の安定がその最大の要因だが、こちらもまさに好成績のオンパレード。8月16日のインディアンズ戦でラッキーが勝ち星を挙げたことで、球団史上初めて先発5投手全員が2ケタ勝利をマーク。“Kロッド”こと守護神ロドリゲスも一昨年挙げた自己最多の47セーブを更新中で、このペースで行けば1990年にホワイトソックスのシグペンが記録した1シーズン57セーブを軽く追い抜くことになる。加えて、先述のハンターが加入したことで守備力と機動力が向上し、チームカラーのスモールベースボールに磨きがかかった。7月29日にブレーブスからトレードでやって来たテシェーラも、移籍後の打率は3割8分近くと大当たり。投打が噛み合った磐石の態勢で、2年連続の地区優勝は確実だ。

 気の早い複数メディアは、シーズン最多勝のチームが世界一になったのは過去10年間で昨年のレッドソックスだけだと報じたが、そんな杞憂は絶好調の裏返し。「物事は良いか悪いかだけで、良すぎることなんてないよ。本当に何もかも上手くいっている」とハンターが一笑に付すほど、6年ぶりの王者奪還へ期待が高まる。

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