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最高峰クラス6連覇へ、王者ロッシ死角なし。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2006/03/09 00:00

最高峰クラス6連覇へ、王者ロッシ死角なし。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 開幕まで1カ月。ここまでのMotoGP合同テストを振り返ると、ワークス勢の力が拮抗し、これまでにない混戦模様となっている。事実、テストの結果をリザルトという数字だけで見れば、トップタイムをマークする選手がめまぐるしく替わっている。その一方で、6連覇を狙うV・ロッシが、リザルト上では、それほどの強さを感じさせていない。その理由は、常に上位にいるのだが、トップに立つことが少ないからである。

 しかし、これが調子のいいときのロッシのやりかたである。彼のテストの進め方の特徴は、サーキットをいくつかのパートに区切ることから始まる。そのパートをひとつひとつ順に攻略、すべての区間が完璧に仕上がったところでロングランをこなす、というものだ。常に照準はレース。テストでは予選タイヤを使うことを好まない。そのために、ベストタイムこそライバルに譲ることが多いものの、内容では常にライバルを圧倒してきた。

 振り返れば、ホンダからヤマハに移籍した1年目は、常に100%の走りを強いられた。昨年はヤマハYZR―M1の進化もあり、シーズン中盤までに勝ち星を稼いでリードを築いた。そのアドバンテージを守りながら後半を戦い、タイトルを決めるという、本来のロッシの戦い方を見せてくれた。今年はその余裕が開幕前のテストにまで波及している印象だ。

 昨年までは、速さに勝るホンダ、ドゥカティに対抗するために、ヤマハYZR―M1も、乗りやすさより速さを優先したと言われた。しかし、今年のマシンについて、ロッシは「去年問題になっていた部分がすべて改良された。乗りやすくなった」と語っている。今年27歳。すべての面でバランスの取れた年齢にマシンの熟成が加わり、チャンピオンを取り続けてきた過去5年よりも、一層の強さを感じさせている。

 今年は世代交代が一気に進んだ。昨年総合2位のM・メランドリ、3位のN・ヘイデンを筆頭に、元気のいい若手が大勢いるだけに、シーズンの展開を予想するのは難しい。しかし、昨年同様、ロッシが前半戦で連勝街道を驀進することができれば、6連覇に大きく前進するのは確実だ。来季はF1に転身する可能性もあるだけに、彼への注目度はこれまで以上に高くなりそうだ。

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