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日本の二輪界、期待の星。
日浦大治朗の明るい未来。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2009/11/10 06:00

育ての親でもあるノビーこと上田監督と。背は伸びても大治朗の表情はまだ少年そのもの

育ての親でもあるノビーこと上田監督と。背は伸びても大治朗の表情はまだ少年そのもの

 これからの日本の二輪界を背負う逸材として注目されている日浦大治朗が、来季も「レッドブル・MotoGP・ルーキーズカップ」に参戦することが決まった。このシリーズは将来のGPライダーを育てようと'07年にスタートし、WGPのヨーロッパラウンドで8戦前後が開催されている。

 大治朗は中学1年生のときにシリーズのオーディションを受け、トップ合格を果たした。2年生になった'08年から参戦し、初優勝を達成して総合4位。今年は8戦4回の表彰台で最終戦までチャンピオン争いに加わり、総合3位だった。

 監督を務める元GPライダーの上田昇は、「来季からWGP125ccに参戦させる予定だったが、最低年齢が16歳に引き上げられたことで、引き続きルーキーズカップに参戦することにした。来年はタイトル獲得はもちろんのこと、16歳になる7月以降は、WGPにスポット参戦させたい。デビュー戦で優勝できるように鍛えていく」と語る。

身体の成長も落ち着き、ライディングも安定。

 ルーキーズカップはバイクはもちろんレーシングスーツまで支給され、必要なのはヘルメットだけ。大治朗は「バイクもタイヤも同じで、ライダーの実力勝負。すごく面白い」と目を輝かせる。GPフル参戦は1年延期となったが、「来年こそチャンピオンを獲りたい。師匠のようにGPデビュー戦で優勝できるように頑張りたい」と前向きだ。

 参戦開始の頃は147cmだった身長が、この2年間で28cm伸びて175cmになった。支給されるレーシングスーツがすぐに小さくなってしまう成長期。

「それがライディングに影響した。この2年は身体の方ばかり成長したが、今年の終盤戦になって走りも安定してきた。来年は更なる成長が期待できる」と、上田監督は自信を覗かせる。

日浦大治朗の飛躍は二輪新時代の嚆矢である。

 不況の影響で、世界で戦う日本人選手が厳しい状況に置かれている。次々にシートを失う可能性も高く、大治朗の存在は数少ない明るい話題でもある。すでに日本のバイクメーカーが選手を育てる時代は終焉を迎えた。そんな状況での上田監督と大治朗のチャレンジは、大きな注目を集めている。低迷する日本のレース界だが、その半面ポケバイ人口は確実に増加している。この二人の師弟コンビは、すでに、ちびっ子たちの目標でもある。

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