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王座に届かなくとも、
ハガノリの実力は健在。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2007/11/01 00:00

王座に届かなくとも、ハガノリの実力は健在。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 スーパーバイク世界選手権(WSB)に参戦している芳賀紀行(ヤマハ)が、わずか2点差でシリーズランキング2位に終わった。

 最終戦決着となった第13戦フランス大会では、「出来ることは勝つことだけ。2レースとも勝つ」との決意通り、完全Vを果たした。一方、33点差の大量リードでタイトルに王手をかけていたJ・トーゼランド(ホンダ)は、第1レースで後続に追突されてコースアウト、最下位から追い上げて7位という波乱。第2レースも6位と低迷したが、タイトル争いでは辛くも逃げ切った。

 「やれることはすべてやった。足りなかったのは運だけ」。最後の戦いを終えた芳賀は、長く厳しいシーズンを振り返った。追い上げる者の強み。「失うものはなにもない」という積極的な走りがトーゼランドを脅かした。失敗の許されないトーゼランドは、シーズン中盤に一時60点以上のリードを築きながら、王手をかけてから守りに入ったことで追い上げを許した。この1年、トーゼランドは8勝を含む表彰台14回。芳賀は6勝で表彰台15回。互角の戦いだった。

 WSBには、プラチナシート化しているモトGPから、実力のある選手が流入している。一方で、チャンピオンになったトーゼランドがWSBタイトルを手土産にモトGPにスイッチしていくように、モトGPを目指す若手も多く、年々、レベルは上がっている。芳賀は'98年にWSBにフル参戦。その後、モトGPにチャレンジしたが失敗に終わり、'04年にWSBに復帰。以来、常にチャンピオン争いに加わってきた。

 世界戦デビューから10年。デビューした当時は勝つか転ぶかという大味な選手だったが、経験を積む過程で上手さが加わった。今年も自分のミスで転倒したレースは一度もない。WSBは1000ccまでの市販車をベースに、タイヤがピレリのワンメークで争われる。それはライダーのテクニックがものをいう世界である。そのなかで、メーカーやバイクが替わってもトップライダーの座を守ってきたことが、芳賀の実力を物語っている。

 日々、変化するマシンとタイヤ。ライダーも、それにアジャストしていく能力が問われる。今年32歳。もちろん、来年もチャンピオン候補の筆頭である。

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