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9月の3戦、注目は史上初のナイトレース。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2008/09/04 00:00

 残るは6戦。シリーズも終盤に入り、この9月は今シーズン初めて“月間3レース”という過密日程となる。しかもサーキットのキャラクターがまるで違うから面白い。7日の第13戦ベルギーGPは高速テクニカルコースのおなじみスパ・フランコルシャン、続く14日の第14戦イタリアGPは名うての超高速モンツァ。ここでヨーロッパラウンドを終え、28日の第15戦、初開催となるシンガポールGPはF1史上初めてのナイトレースだ。

 ル・マン24時間耐久レースではヘッドライトを装備したスポーツレーシングカーで夜間走行をするが、このシンガポールGPでは人工照明によって照らし出されたコースを、いつもと同じマシンで走ることになる。主催者側は万全の構えでいるが、気になる点がいくつもある。

 スプリントレースのF1では接近バトルが多く、前後左右のマシンが重なって影でよく見えなかったら当然接触する。照明装置の光源がもし目に入ったら、フラッシュを浴びたように目がくらむだろう。夜になって気温が下がり、シャワー(にわか雨)がきたら、水滴は乱反射し、タイヤがあげる水煙が立ち込めて視界が限られる可能性もある。バックミラーもよく見えず、視野が狭くなってサイドバイサイドも非常にリスキーとなる。しかも、ここは誰もが初めて走る市街地コースなのである。やってみないとわからないアンノウン・ファクターがあまりにも多い。セーフティーカーが出動する確率も高まるだろうから、チームにはレース戦略の修正能力や、ピットイン・タイミングの決断力が問われることになる。

 現役ドライバーで夜間レースの走行経験がある者はD・クルサードとS・ブルデーくらい。ホンダのA・ブルツにはル・マンの優勝経験があるが、彼はサードドライバー。チャンピオンシップの第15戦まで煮詰まってきて1ポイントの“得失点差”が重要になってくる中、初コースでの初ナイトレース。ドライバーたちは二重苦、いや三重苦を背負わなければならないかもしれない。

 伝統のスパ、歴史あるモンツァ、そして未知なるシンガポール・ナイト、この3戦の後が10月12日第16戦日本GP(富士)だ。オリンピックも終わり、9月からあらためてF1を見てみようかという方には絶好のリスタートチャンスである。

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