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危機的状況が続くマリナーズの行方は。 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2008/07/10 00:00

危機的状況が続くマリナーズの行方は。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 午前6時発、デルタ航空アトランタ行き。前夜の試合を終えて原稿を書いたあと、荷造りをして乗り込む。同じ便になったシアトルの地元記者と「眠いね」と軽く挨拶して4時間半ほどのフライトへ。いつもと何一つ変わらない遠征のはずだった。ところが到着して携帯の電源を入れた瞬間、一気に届いた留守電とメール。ただ事でないのは容易に理解できた。6月19日、マリナーズがマクラーレン監督を解任したのだ。

 「可能性はあったから驚きはないけど、不振の選手が先にカットされるかと思っていた。立て続けに首脳陣が居なくなるなんて……」と、アトランタに着いたばかりの地元記者は、急遽シアトルで行われた解任会見に出席できるはずもなく困惑の表情を浮かべた。10日前のペントランド打撃コーチ、3日前のバベシGMに次いで3人目のクビ。選手たちは出発前に知らされ、会見が行われる頃には動揺したまま出発するという、球団の混迷を象徴するドタバタ劇だった。

 新監督は今季からベンチコーチをしていたリグルマン。'90年代にパドレスとカブスで監督経験がある。マクラーレン前監督と深い信頼関係で結ばれていたイチローは「寂しいよ……。(前監督は)僕らができなかったことに対する犠牲者」と落胆したが、新監督に対して「実は全然期待してなかったけど『おっ?』と思った。考え方が短絡的じゃないというか、深いところを見ることができる」と幸いにも新監督に希望を見出した様子。城島健司も「思い切ったことを言う人。そう言うと感情を表に出すかと思うが、彼は決してそうじゃない」と新体制の下で戦い抜く覚悟を語った。

 だが依然として危機的状況は続いている。セクソンやビドロなど不振の主力を解雇するとか、ベダードやバティスタら先発投手をトレードするとの噂が実しやかに囁かれている。GM解任の際、イチローは「この状況なら何が起こってもおかしくないでしょ。起こらないことがおかしい」と呟いたが、それは現在進行形。本稿が出るころには、さらに動きが出ている可能性は十二分にある。大改革となるか、それとも単なる空中分解で終わってしまうのか。100敗を超えるペースで負け続けているマリナーズの行方は混沌としている。

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