右ひじの故障で全仏オープンを欠場した錦織圭は、拠点を置くアメリカから一時帰国して記者会見を開き、右ひじに疲労骨折が見つかったことを明らかにした。しばらくの間、ツアーを離れることを決めており、予選に挑戦する予定だったウィンブルドンも欠場する。
ランキングポイントは1年で失効するため、5月25日現在116位のランキングがさらに落ちるのは間違いない。「何もやる気が起きないくらい落ち込んだ」のも当然だろう。だが、ランキングのアップダウンは誰にでもあること。19歳の錦織には挽回の機会はいくらでもある。
肉体の故障はあふれる才能の証左でもある。
肉体が未成熟な若い選手、しかも才能のある選手には、プレーが激しすぎて体が壊れるということがよく起きる。ラファエル・ナダルも少し前までは故障の多い選手だった。クルム伊達公子も、若い頃はたびたびケガに悩まされた。豊かな才能が、肉体の許容範囲を超えたプレーをさせてしまうのだろう。
若き日の伊達を指導した小浦武志コーチが、当時を振り返り「すごいエンジンを積んでいたが、車体や足回りは未完成だった」と話したことがある。今の錦織もまさにそんな状態なのではないか。米国のIMGアカデミーで錦織を指導するチームの合言葉は「20歳までにフィジカル面を仕上げること」。今は、フィジカルがテニスに追いつくのを待つしかないだろう。
今後は8月末に開幕する全米オープンへの出場を目指して調整するという。19歳の若者にとっては、つらい、我慢の日日がしばらく続くだろう。
今の錦織に必要なのはすべてを任せられるアニキ!?
復帰がかなったら、ぜひフィジカルの専門家をツアーに同行させるべきだと思う。強化を担当するフィジカルコーチでも、ケアを担当するトレーナーでもどちらでも構わない。シーズン開幕直後に右ひじを痛めた錦織は、その後、ツアーを回りながらも、どれだけ悪いのか、いつ治るのか、と疑心暗鬼になっていたに違いない。フィジカルを見てくれる人がいれば、そんな精神的な動揺も併せて受け止めてくれるはずだ。
それも、できれば日本人がいいのではないか。錦織は英語が話せるが、日本人同士の以心伝心に勝るものはない。フィジカルとともに精神面を支える兄貴分が、今後の錦織には不可欠だ。
(更新日:2009年6月8日)































