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フィリーズの新主砲が
ホームランを量産中。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2006/08/17 00:00

フィリーズの新主砲がホームランを量産中。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「2年目のジンクス」なんていう言葉は、持ち前のパワーでとっくに外野フェンスの向こうにぶっ飛ばしてしまったかのような活躍ぶりだ。昨年途中昇格ながら、88試合で22HRを放って新人王を獲得したフィリーズのライアン・ハワードは、今季もパワフルに打ちまくる。オールスターゲームに初出場を果たし、ホームラン競争の勝者に。7月31日現在、リーグトップの35HRを放っている。このペースで打ち続ければ、ホームラン王に輝いてシーズンを終える可能性も十分ある。

 「ジンクスになんて惑わされない。大事なのは常に自分自身であること」

 26歳のハワードは力むこともなく静かにいった。しかし、そうはいっても言葉通りにならないのが人間の性であり、面白いところである。オープン戦ではメジャートップの11HRを記録して、調子に乗り過ぎていた。開幕してから暫くは不調だった。

 「どんどん打ちにいって、悪球に手を出すパターンで当たりが止まった。そんなときに適切なアドバイスをしてくれたのがアキャオギだった。日本ではレッドデビルっていわれてたんだろう、チャーリー・マニエル監督は」

 正確にはアカオニ(赤鬼)と発音すると教えてあげたところ、言い直しながら監督からのアドバイスを続けていった。

 「アカオニ、アカオニ。そのアカオニが打席に入ってからの我慢がいかに重要であるかをじっくりと話をしてくれた。まだ、悪い癖が出るときもあるけど、彼のお陰でいい感じで打てるようになった」

 マニエル監督はかつてヤクルト、近鉄(現オリックス)でホームラン王を獲得するなど大活躍。マイナー時代からのジム・トーミを育てあげた打撃の名伯楽として有名だ。

 ハワードは昨年、そのトーミの故障でポジションを掴み、皮肉にもそのことでフィリーズがホワイトソックスへトーミを放出する決断を促すことにもなった。

 「トーミからもいろんなことを学んだ。打撃スタイルがちょっと似ているのも観察しているうちにそうなったのかもしれないな」

 赤鬼からトーミ、そしてハワードへと、“ホームランの血”は脈々と受け継がれていくのである。

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