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ファンを取り戻すため日本人勢に期待すること。 

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服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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posted2009/01/16 00:00

 ここ数年不祥事続きで失った多くの相撲ファンを、再び土俵に振り向かせることはできるか。

 横綱白鵬が独走するか、朝青龍が復活するか、新大関日馬富士の快進撃は続くか、関脇把瑠都が次期大関候補に名乗りを上げるか……。初場所を前に今年の話題はいくつかあるが、いずれも主役は外国人力士である。最近5年間30場所中、日本人力士の優勝はわずか2回、しかも直近の優勝は平成18年初場所の大関栃東までさかのぼる。今や引き立て役に回ってばかりの日本人力士たちの奮闘こそが、ファンの切なる願いであり、再生の鍵であろう。思いのままに願望を書き連ねる。

 まずは、番付上位の大関陣にたいしてだ。琴光喜には大関での初優勝を貪欲に狙って欲しい。前半戦での取りこぼしをなくし、自分優位な状況で横綱戦に臨めば、角界随一の相撲の巧さが生きるはず。やや峠を過ぎた感のある千代大海と魁皇には援護射撃を期待したい。かつて「二子山包囲網」なる言葉が存在したが、ここは「日本人大関包囲網」を組み、横綱戦だけは勝ちにこだわった計算尽くの相撲を見せて欲しい。

 稀勢の里、琴奨菊、豊ノ島には、看板力士として大関への挑戦、悲願達成を懇願する。誰か1人が今の閉塞感を打破すればライバルも逆襲に転じ、一気に世代交代の波が起こる。上位の壁に跳ね返されてきた若手のホープ豪栄道、栃煌山には地力アップに励んでの再挑戦を期待。大物を食うにはまだまだ馬力不足である。

 館内を沸かす個性派には、孤軍奮闘だった高見盛に、日本大学の後輩に当たる252kgの巨漢山本山が加わる。憎めないキャラ同士の対戦には興味津々だ。曲者安美錦の変幻自在の相撲、雅山、出島、栃乃洋らのいぶし銀の味は土俵に欠かせないスパイスである。彼らの持ち味を存分に発揮して欲しい。

 そして全日本人力士には、相撲美、土俵美をアピールする真摯な土俵態度を熱望する。稽古を重ねた鍛え抜かれた体で、イキのあった美しい塵浄水、力強い四股、緊迫感あふれる仕切りを見せて欲しい。勝負前の土俵上の所作は、相撲のわびさびを堪能させる貴重な時間である。

 相撲からSUMOへと代わりつつある流れに楔が打てるか。平成21年、日本人力士たちには文字通りの正念場である。

■関連コラム► 大関陣の不甲斐なさを示す意外な数字。~カド番・千代大海らの罪~(2009年5月22日)
► 危機の中で現れた、個性派力士、山本山。 (2008年10月23日)

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