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モントーヤの“大失策”で、ブラジルが最終決戦に。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2005/09/29 00:00

モントーヤの“大失策”で、ブラジルが最終決戦に。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 マクラーレン・チームは逆転のチャンスを逸した。雨のスパ・フランコルシャン、1―2ゴール(10+8点)ならず、J-P・モントーヤはトルコGPに続き、レース終盤に2位をF・アロンソに与えてしまった。周回遅れとなっていたA・ピッツォニアと接触リタイア。全く争う必要のない相手だっただけに何をかいわんやである。

 18点取っていたら154点になった。ルノーはG・フィジケラを序盤に欠き、ひとりアロンソが守りに徹して3位(6点)を目指すほかなかった。そのままいったら150点どまり。第16戦ベルギーGPで今季初めてとなるコンストラクターズ選手権2位転落を覚悟していた。

 「二つの内どちらかと問われたら、ドライバーズタイトルを取る」

 ルノー首脳陣も終盤にきてマクラーレン・メルセデスの速さには対抗できないことを認める。もちろん両タイトル制覇が理想だが、このフランスのチームは22年前に苦い思いをしている。序盤から若きA・プロストがリードしながら2点差で2位、コンストラクターズも10点差でフェラーリに逆転され2位。優勝回数でプロストは最多だったが、二つのタイトルとも最後の最後で取り逃がしたのだ。チームの采配ミスと当時騒がれた。

 悪夢となった'83年シーズンを繰り返さないために、ルノーはアロンソを史上最年少王者にすることに集中してきている。コンストラクターズは“ボーナス”だと思えばいい。ベルギーGP予選直前、ルノー陣営は予選順位が10位下がるペナルティを承知でフィジケラのエンジン交換を決断。金曜と土曜フリー走行でアロンソより8周(約56km)も多くフィジケラを走らせ、データを集めさせた。前戦超高速イタリアGPを戦ったエンジンで走るアロンソの周回数をセーブしたのだ。13位グリッドからのレースはクラッシュで終えたベテランのフィジケラだが、予選前までに“任務”を全うしていた。

 優勝したK・ライコネンがレース後「ショックだ」と繰り返していた。勝利数でアロンソに並んでも、モントーヤが2位に続いてくれなければ点差は縮まらない。ここに至ってこの取りこぼしはマクラーレン・チームにとって非常に痛い。敵ルノーが自滅してくれることに期待するほかなくなった。

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