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中規模格闘技興行は
JCBホールを目指す。
~マット界の新たな“聖地”~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byTakasi Iga

posted2009/12/18 06:00

中規模格闘技興行はJCBホールを目指す。~マット界の新たな“聖地”~<Number Web> photograph by Takasi Iga

RISEのメインイベント、龍二vs.白須康仁。激戦を制した龍二(右)はMAX出場権を得た

 大晦日、さいたまスーパーアリーナで行なわれる興行の先行きが見えない一方、いま格闘技界では、JCBホールでの興行や試合が目標やステータスになりつつある。JCBホールは後楽園ホールと同じ東京ドームシティ内にある、昨年春にオープンした多目的ホールである。収容できる観客数は後楽園ホールの約1.5倍。都内に交通の便がいい3000人規模の会場はありそうでなかっただけに、「後楽園ホールは小さいけど、5000人や1万人規模の会場はちょっと……」と考えるプロモーターにとってはうってつけの箱なのだ。

どの席からでもリングは間近で、後楽園ホールを凌ぐ一体感が。

 特筆すべきは観客とリングの近さ。3層からなるバルコニー席はどこに座ってもリングまでの距離が近い。席の傾斜も急だから、前の席の人影で視界を遮られることもない。さらに、このホールはコンサート会場としても使用可能で音の響きもいいので、試合が盛り上がった時の会場の一体感は後楽園ホールのそれを凌ぐものがある。1万人規模以上の会場だと座る席によっては巨大スクリーンに映し出された攻防だけを追いがちになるが、ここではその心配もない。

 そのせいだろうか、今年に入ってからプロ修斗が3回、RISEとシルバーウルフが一度ずつJCBホールを使用しているが、いずれも盛況だった。同所で魔裟斗と引退エキシビションマッチを行なったばかりの大宮司進は、11月22日開催のRISE60に出場した教え子に「いいよなぁ。新人時代からこんないい会場で試合ができて」と羨ましがっていた。

連続興行で経費削減。団体同士が手を携えて不況を乗り切る。

 目を引いたのは、RISE60とその翌日に開催された修斗公式戦の2日間連続興行だ。前者は立ち技で後者は総合。ルール的な接点は見出せないが、連日開催にすればリングや観客席の設営などの経費を折半できるメリットがあるという。

 両大会にはK-1も含め他団体の関係者も多数来場していた。中には興行経費を主催者に直接聞く者も。その熱心さから察すると、来年以降はさらに興行の回数が増えてきそうな雰囲気だった。箱は大きくても、ガラガラでは意味がない。格闘技にスポンサーがつきづらくなっている現在、時には同業者と手をとりあいながら、身の丈に合った興行を打つ方が賢明だ。大会場での興行が苦しい現状を見ると、特にそう思わされる。

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