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秋のGI戦線開幕!馬インフルの影響は? 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byKiichi Yamamoto

posted2007/10/18 00:00

秋のGI戦線開幕!馬インフルの影響は?<Number Web> photograph by Kiichi Yamamoto

 秋のG?第1弾、スプリンターズS(9月30日、中山、芝1200m)は、3歳牝馬のアストンマーチャン(栗東・石坂正厩舎)が鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた。

 前日から降りだした雨が、レース本番までついにやまず、馬場は泥水が跳ね上がるのがスタンドからでも見える不良のコンディション。勝った馬だけがきれいな体で、着順が悪い馬ほどジョッキーともどもドロドロに汚れて帰ってくるという決着になった。

 騎乗していたのは、42歳のベテラン中舘英二騎手。なんと、'94年のエリザベス女王杯(ヒシアマゾン)以来、13年ぶりのG?制覇だった。「もう引退も近いので、最後に大きいレースをプレゼントしようと思って頼んだんだ」という石坂調教師の軽口に対しても、ただ最敬礼を繰り返すだけだったのが印象的だった。

 影をも踏ませない、常にセーフティリードを維持しての逃げ切りだったが、「馬を怒らせないように、ゆっくり行くように心掛けて乗りました」と言うのだから、こういう馬場がよほど巧いのだろう。歴戦の古馬たちが手も足も出せなかったのだから、今年の3歳牝馬のレベルの高さの証明にもなった。

 インフルエンザの影響がなかったかといえば、それはやはりあったと思う。単純に、外国馬が不参戦だったのはその理由に尽きるわけだし、移動禁止の時期にかかってトレセンに帰って来たくてもかなわなかった馬たちは、やっぱり調整遅れを余儀なくされていたのがわかる。武豊騎手が、お手馬だったアストンマーチャンを断って、高松宮記念の覇者スズカフェニックスの騎乗を選択した(9着)のは格的に仕方がなかったのかもしれない。しかし、「体にいいときの張りがなくて、デキはもうひとつだったようです」というコメントをしたときの表情は、釈然としないものが浮んでいたように感じた。

 とはいえ、そうした情報がファンにも事前にしっかりと伝わっていたようで、馬券的にはそれなりの配当で収まっているのだから、ある意味では公正な競馬だったとも言える。今後も外国馬が来日できるかどうかの不安は依然つきまとうものの、国内の問題は九分通り解消したと考えてよさそうだ。

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