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期待の星、中上貴晶の
ほろにがGPデビュー。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2008/04/03 00:00

期待の星、中上貴晶のほろにがGPデビュー。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 3月9日に行われた開幕戦カタールGPで、中上貴晶がGPデビューを果たした。2月に16歳になったばかりの高校1年生。日本人としては史上最年少でグランプリフル参戦となる。注目の初レースは、初めて走るサーキット、GP史上初のナイトレースというルーキーにとっては厳しい条件が揃い、予選23位決勝19位に終わった。「目標はひと桁でフィニッシュすること」だったが、「セッティングがダメで自分の走りが出来ず、予想より厳しいレースになりました。自分に足りないのは経験だということを痛感しました」と、世界の壁の高さを味わった。

 中学3年生のときに史上最年少14歳で全日本125ccクラスのチャンピオンに輝いた。この年からWGPを運営統括するドルナのGPライダー育成プログラム「MotoGPアカデミー」に選ばれ、スペイン選手権に2年間参戦、世界への切符を手に入れた。日本人にとって、これまでにない新しい形での世界挑戦は、彼に続く少年たちの目標となった。

 中上は全日本時代からホンダのバックアップを受けてきた。しかし、ホンダが'09年での2ストロークエンジン生産終了を決定したことにより、世界デビューは常勝マシン・アプリリアを走らせるイタリア・チームからとなった。今年の目標は「最低でも表彰台に立つこと」。モトGPアカデミーで一緒に戦い、一足先に世界に出て行った仲間はすでに優勝争いに加わっている。速い選手のうしろにつくと一気にタイムを上げる走りは、非凡な才能を感じさせるのに充分なものだ。

 故加藤大治郎を超える逸材と言われ、久しぶりに世界チャンピオンを狙える選手として、将来の日本のレース界を担う。そのモットーは、限界を超えないこと。「転ぶと痛いから」というのが理由だが、それでいて数々の最年少記録を打ち立てて来たのだから、やはり天才である。

 しかし、世界的な低年齢化という大きなうねりの中で、「16歳が若いとは全然思わない。早く125と250のチャンピオンを獲って20歳にはモトGPに乗りたい」とすでに彼は未来を見据えている。

 世界のレベルを肌で感じ取ったカタールGP。この日、最高峰クラスの表彰台に立った3選手の平均年齢は21歳。中上の目標は、決して早すぎる夢ではない。

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