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カブス「100年の夢」
vs.名将トニー・ラルーサ。 

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出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2008/07/24 00:00

カブス「100年の夢」vs.名将トニー・ラルーサ。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 100年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指すカブスが開幕から快走し、地元シカゴ・リグレーフィールドはすでにお祭り状態だ。確かに投打の充実ぶりをみればその可能性は十分にあるが、そう簡単にいかないのがペナントレース。地区で後を追うブリュワーズ、カージナルスも手をこまねいているわけではない。

 たとえば、打線の爆発力を売り物にするブリュワーズは、7月に入り昨年19勝のサイ・ヤング賞投手、サバシアをインディアンスからトレードで獲得。投手力を整備し、追撃の狼煙を上げた。

 しかし、カブスにとって、より不気味な相手は、カージナルスではなかろうか。ワールドシリーズ10回優勝の名門だが、開幕からエースのクリス・カーペンターと左腕の先発マーク・マルダーを故障で欠いたため、地区3位に終わった昨年以上の苦戦が予想されていた。ところが、フタをあけると堅実な戦いぶりで上位をキープ。現役最多勝監督の名将トニー・ラルーサのやりくりが光っているのだ。

 まず挙げられるのは昨年リリーフから先発に転向させた2人の投手の活躍だ。ブレイデン・ルーパーが今季は自己ベストを上回るペースで9勝、トッド・ウェルメイヤーが7勝をマークしている(記録は7月6日現在のもの。以下同)。

 ラルーサは2人についてこう語る。

 「(投手コーチの)デーブ・ダンカンとともに、2人の適性を見極め、ツーシームで内野ゴロを打たせる投球を覚えさせ、ゆるいボールを効果的に使えるようにさせた。それが成功の理由だ」

 また、ラルーサとダンカンのコンビは、通算63勝74敗で、開幕2週間前まで売れ残っていたFAのカイル・ローシーを買い、10勝2敗と大ブレークさせている。

 一方、打つ方ではスタメンに「8番・投手」を定着させて効果を上げている。

 「(3番打者の)アルバート・プホルスを初回は3番、それ以外は4番打者のような働きをさせるために考えついたアイデアなんだ」(ラルーサ)

 実際、その効果は確実に出ており、1試合平均得点は昨年の4.48から4.60にアップした。

 持ち駒の能力を最大限に引き出す名将が、カブスの「100年の夢」に立ちはだかるか。興味深いレースはこれから佳境を迎える。

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