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今季トップリーグで気を吐く、国内復帰組の気概。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinsuke Ida

posted2005/09/29 00:00

今季トップリーグで気を吐く、国内復帰組の気概。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 「サウナの中で試合してるみたい」。体中から汗を噴き出しながら、大久保直弥は苦笑した。9月3日に行われた東芝府中とサントリーのプレシーズンマッチ。昨年4月からNZでプレー。NZのオフは日本で過ごし、今年も7月まで真冬のNZの最南端サウスランドでプレーしていた大久保にとっては「2年ぶりの夏」。試合の行われた人工芝のピッチには真夏並みの日差しが照りつけ「インバーカーゴから見たら温度差が60度くらいある」という過酷な条件下で後半から出場。東芝の核弾頭No.8ホルテンを仰向けに倒すタックルを炸裂させ、自陣ゴール前でモールを押されたピンチには相手ロック横山恒雄を猛タックルで押し込んで一気にボールを奪い取った。「バテバテだったけど、少しは『NZにいました』ってところを見せないと、こんだけ来てくれたお客さんにも申し訳ないからね」

 試合には26対34で敗れたが、昨季8位に沈んだサントリーにとって、元主将の復帰は何よりのカンフル剤だ。

 今季は大久保だけでなく、海外から国内復帰する選手が多い。南アフリカでプレーしていた元ヤマハの四宮洋平はワールドと、NZやウエールズでプレーを重ねた元トヨタの勝野大は神戸製鋼と契約。3年前の膝の複雑骨折から再起を目指す岩渕健輔も、イングランドのサラセンズに在籍したまま、アドバイザーを務めていたサニックスで選手登録。「出場が前提の登録ではない」(藤井雄一郎監督)とはいえ、復活を目指す岩渕の姿が国内で見られるかも、と想像すると胸が熱くなる。

 そんなラグビー選手の海外進出、そして国内復帰に先鞭をつけた村田亙は、37歳の今季も絶好調。8月に行われたヤマハのフィットネステストではBKトップの成績(!)を叩き出し、三洋電機とのプレシーズンマッチでは186cm、121kgの巨漢・宮本安正を一撃で倒す完璧なスマザータックルでトライチャンスを阻止。主審はハイタックルの反則を科したが、客席からも、観戦していた予備レフェリーからも「違うよ、最高のタックルだよ」と全く同じ叫びがあがったほどだ。

 「フランスでは試合に負けたら、プロである自分のせいにされる(笑)。必死でした」と村田。異境での全ての経験を1つのパス、1つのタックルに込めて、男たちのトップリーグが開幕した。

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