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西の亀田に東の粟生。若手のホープは本物か。 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2005/07/21 00:00

 暫く低迷をかこっていた日本ボクシング界にようやく活気が戻りつつある。現役世界王者4人の活躍とは別に、若く新鮮なスターの台頭が明るい材料だ。

 その筆頭が浪速の亀田3兄弟の長兄・興毅(18歳)、これに続くのが「元高校6冠王」の粟生隆寛(21歳)。共に負け知らず。階級が違うので2人が直接対戦することはないが「西の亀田に東の粟生」などと比較され、現時点では亀田が断トツ人気。スポーツ紙が連日のようにその動向を追い、知名度では4人の世界王者以上というのも大げさではない。

 最近の試合で両者は相次いで満員の後楽園ホールに登場した。亀田はこれまでタイの無名とばかり対戦して「相手が弱すぎる」とコアなファンから批判されてきたが、6月20日に初のビッグネーム、元世界L・フライ級王者サマン・ソーチャトロンと対戦。試合前から元王者をポンコツ呼ばわりし、事実初回に3度倒してTKO勝ち。世界王座を10度も防衛した老雄がこれまでの対戦者と同じように動くサンドバッグになってしまったのには驚いた。

 一方粟生は7月2日、同じリングで宮田芳憲相手に初めて10回フルラウンド戦い、小差判定勝ち。元世界王者に圧勝した亀田と比べ、ノーランカーに苦戦では分が悪そうだが、業界ではこちらの評価も高い。宮田は粟生得意の左カウンターを食ってもケロリとしていたように、強打とタフネスで知られる骨のある相手だったから、苦戦も想定内だったのだ。

 粟生の所属する帝拳ジムは浜田剛史を日本、東洋、世界と段階を踏んで挑戦させたように、経験を積ませて上を目指す正統の選手養成が常。当然粟生もこの路線だろう。

 だからといって亀田スタイルが否定されるものでもない。有名なのはかのジョージ・フォアマンが慎重に相手を選んで36連勝し、自信と勢いをつけた上で世界に挑み、無敵王者ジョー・フレージャーをKOして世界中のファンに衝撃を与えた方式。亀田はフォアマンほど長く待つつもりはないだろうが、いつかは実力を試される強豪との対戦で「真実の瞬間」を迎えることだろう。

 亀田も粟生も久しぶりに現れた逸材だけに、うまく育ってボクシング人気復活に繋がることを期待したい。

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