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スノーボードはトリノの“隠れメダル候補”だ。 

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藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2005/03/03 00:00

 トリノ五輪のプレ大会として2月10日に行われたW杯スノーボード男女ハーフパイプで、19歳の兄・成田童夢と17歳の妹・夢露がそろってメダルを獲得した。兄は42・1点で3位、妹は41・4点で2位。兄妹が同日にW杯の表彰台に上がったのは史上初で、2人は「気が動転して何を言ったらいいのか」(童夢)、「むちゃうれしい」(夢露)と喜びを爆発させた。

 成田兄妹はともに父・隆史さんが監督を務める「夢くらぶ」に所属している。11歳の弟・緑夢を加えた成田ファミリーは、スノーボード界では昔から有名だった。子供たちに「夢」を託した隆史さんは、小さい頃から徹底的に英才教育を施してきた。童夢と夢露はもともとモーグルの選手だったが、すぐにスノーボードに転向。雪がない夏場は水上スキーのウエークボードにも取り組み、あふれる才能をいかんなく発揮してきた。

 童夢は'02年12月のウィスラー大会(カナダ)で早くもW杯初勝利を挙げ、その後やや伸び悩んだものの、今季は再び上昇気流に乗っていた。隆史さんが「一番しっかりもの」という夢露は小学6年でプロになり、早くから「天才少女」と騒がれ、ウエークボードでも世界女王になるなど、W杯の表彰台は時間の問題と見られていた。

 フィギュアやスピードスケート、ノルディックスキーなど華やかな種目ばかりが注目されがちだが、スノーボードも来年のトリノでは有力なメダル候補だ。成田兄妹以外にも昨季、日本人として初のW杯総合優勝を飾った山岡聡子(アネックスク)やソルトレークシティー五輪5位の中井孝治(アメリカン)ら、有力選手がいる。世界的に見ても圧倒的に強い選手はおらず、現時点では誰が金メダルを獲ってもおかしくない状況だ。

 スノーボード界における技術の進歩は速く、次々と新しい技が生まれている。特に女子は男子並みの高さが要求されるようになっており、今回の夢露の銀メダルは「メロウセブン」と呼ばれる回転の途中で屈伸から伸身に変化する2回転のオリジナル技がもたらしたものだった。この技術革新の流れにどこまで対応できるかで五輪の勝負は決まるだろう。

 五輪と同じ会場で行われるプレ大会で表彰台に立った自信は大きい。トリノでの兄妹同時メダルも十分ありそうだ。

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