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オリオールズの核弾頭、序盤戦から大爆発。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2005/05/12 00:00

オリオールズの核弾頭、序盤戦から大爆発。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「このペースなら、81本だ」

 オリオールズ担当記者のひとりが背後から声をかけた。開幕6試合で3ホーマー。ブライアン・ロバーツは、ニコッと笑う。童顔が崩れて、メジャーリーガーのイメージからますます遠くなる。球団ガイドでは身長175cmとあるが、実際は170cmに満たないのではないか。

 だが、そんな外見からは想像できないパワーを発揮している。取材した10日のヤンキース戦で3号を放った後も快ペースで打ち続け、開幕2週間でチームトップどころか、メジャー2位の6ホーマーを記録、周囲を驚かせた。なにしろ自己ベストがシーズンで5本しか打ったことのない打者なのだ。

 「一体、何が起こっているのかわからない」と、開幕からヒットも量産している27歳のロバーツは真顔でいう。

 「好調の秘訣?」と、聞き直したあとで少し間を置いて続けた。

 「強いて言えば、メジャー5年目で初めて、ポジションが保証されたスプリングトレーニングを送れたことかもしれない。だから、自分のペースで余裕を持って練習に取り組めたし、オープン戦でも好結果(打率.404)を残すことができた」

 昨年までは、カブスへ移籍したジェリー・へアーストンとの激しいポジション争いを展開していた。共にスピードが売り物のプレースタイルだけに、それは熾烈を極めた。だが、ライバルの度重なるケガによってチャンスを掴んだロバーツは、スイッチヒッターとしてリーグ最多記録となる年間50二塁打を記録するなどの大活躍で、ついにレギュラーの座を手にしたのである。

 「ラッキーという言葉は使いたくない。彼との競争によって、成長できたと思うからだ」

 そのライバルとは仲のいい友人でもある。オフには週6回一緒にトレーニングをしていた。ヘアーストンは祖父の代からのメジャーリーガー三世。ロバーツは元大学野球部のヘッドコーチを父親に持つ。

 「僕らは生まれつきの野球選手みたいなものさ。共通点も多い。チームは別々になったけれど、これからも負けないように頑張りたい」

 オリオールズは確実性にパワーをプラスした核弾頭ロバーツの進化で、侮れない存在になってきた。

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