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モトGPへの飛躍を誓う、
高橋裕紀の今季に注目。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2008/05/29 00:00

モトGPへの飛躍を誓う、高橋裕紀の今季に注目。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 一昨年の最終戦バレンシアGPで右足大腿骨を骨折。昨年は開幕戦から復帰したが、思うように動かない右足の影響で厳しいシーズンを過ごした。

 「これまでこんなに大きな怪我をしたことがなかった」という初めての試練。

 WGP250ccクラスを戦う高橋裕紀が、今年、飛躍のシーズンを迎えようとしている。

 第2戦スペインGPで3位になり、第4戦中国GPでは最終ラップにエンジントラブルが発生するまで単独3位を走った。足首からつま先にかけての感覚はいまだに鈍い状態だが、それでもコンスタントに結果を残し始めている。

 '09年で2ストロークエンジンの生産を終了するというホンダの決定により、高橋が駆るRS250RWは去年と同じ型のままだ。日進月歩のこの世界で、進化を止めたマシンで戦うのは厳しく、アプリリア、KTMを相手に、高橋は孤軍奮闘を強いられている。

 タイトルを睨みつつ、高橋は目標を「昨年チャンピオン争いをしたドヴィツィオーゾの予選タイム、レースタイムを上回ること」に定めた。

 ドヴィツィオーゾは過去3年間、250ccクラスでチームメートとして戦い、一足先にモトGPクラスで戦うライダー。そのタイムを更新することで、はっきりと自身の速さをアピールするのが狙いだ。そして、中国までの4戦ではそれをほぼ達成してきた。

 いまは「体が完全ではないので限界を超えないようにしている」と語る一方で、「乗れているときは自分の勢いに任せている」ほどに回復を果たした。高橋の魅力は思い切りの良さにあるが、そのために限界を超え、転倒が多かったのも事実。昨年のモトGPクラス王者、C・ストーナーも、250cc時代は転倒の多い選手だったが、その実力はモトGPで開花した。電子制御が進み、ライディングに集中できるいまの最高峰クラスなら、確実に高橋の速さと勢いが活きるだろう。

 「チームは来年、僕をモトGPに上げたいと言ってくれている。僕も行きたい。そのための1年にしたい」

 ステップアップの可否は今年の成績にかかっている。一昨年シーズン2勝を挙げた勢いが徐々に戻りつつある、高橋の走りに注目したい。

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