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低迷する冬季競技陣が、勢いを取り戻すために。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2007/03/22 00:00

 札幌市で行われていたノルディックスキーの世界選手権が終了した。今冬の冬季競技では最大のイベントだったにもかかわらず、観客動員は目標の20万人を大きく下回る9万人。テレビの視聴率も低調で、組織委員会の「大会は成功裏に終了した」(上田文雄会長)という言葉だけがむなしく響いた。盛り上がらなかった理由には、事前PRの失敗もあるだろうが、最大の原因はやはり日本選手のふがいなさにある

 女子個人スプリントで夏見円が過去最高の5位に食い込んだクロスカントリー陣はともかく、エースの高橋大斗が転倒して左肩を骨折した複合陣や、団体戦で意地の銅メダルを獲得したとはいえ個人戦では惨敗したジャンプ陣は、猛省すべきだろう。

 '98年の長野五輪で人気、実力ともにピークに達した日本の冬季競技は、その後低下の一途をたどっている。特にスキー系の凋落は著しく、今回も大会前から苦戦は予想されていた。ジャンプ陣の敗因はいろいろ考えられる。'99年シーズンから、スキー板の長さを身長の146%までにするというルールができ、身長の低い日本勢は不利になった。踏み切りの際、より強く蹴ることでハンデを克服しようとしたが、結果的にそれが誤りだった。強く蹴るためには踏み切りの直前に重心を一度下げなくてはならないため、空中姿勢に移行するのが遅れて逆に空気抵抗が増してしまう。さらに若手のレベルアップ不足も影響した。今回は17歳の栃本翔平や21歳の伊東大貴がメンバーに名を連ねたものの、中心は長野五輪と同じ34歳の葛西紀明と36歳の岡部孝信のまま。ベテラン2人がそれなりに力を発揮しただけに、若手の伸び悩みがよりクローズアップされる形となった。

 かつて北海道には、ジャンプ選手にあこがれる子供たちが大勢いた。それがJリーグのコンサドーレ札幌が誕生したことや、プロ野球の日本ハムが本拠地を札幌へ移した影響で、競技人口は年々減りつつある。ここ数年の暖冬で、練習環境も悪化する一方だ。日本が再び世界の頂点に立つためには、選手個々の努力だけではなく、官民一体となった強力なバックアップ体制が必要だろう。バンクーバー五輪まであと3年。残された時間は決して長くはない。

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