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明らかな進歩を見せる、FCJの2年目。 

text by

大串信

大串信Makoto Ogushi

PROFILE

posted2007/08/09 00:00

 昨年、トヨタ、ニッサン、ホンダという国内三大自動車メーカーが、メーカーの枠を越えて若手レーシングドライバー育成のため、新たなカテゴリーであるフォーミュラチャレンジ・ジャパンを始めたというニュースをここでお伝えした。ひとくちにメーカーの壁を乗り越えたとは言っても、敢えて言うならば元々はある種の合弁事業だ。依然として様々な箇所に想いの行き違いが散見されるけれども、シリーズとしては明らかに進化した2シーズン目が進みつつある。

 かつて育成カテゴリーに対しては「入場料を出している観客の前で見せるものではないだろう」と、少々偏狭な批判が寄せられもしたものだが、今では立派に観戦して楽しめるシリーズになった。今年は2年目のトヨタ系、国本京佑が序盤戦のうちに独走を重ね、悠々とシリーズチャンピオンを取ってしまうのかと思ったら、中盤になって取りこぼしが増え、その雲行きが怪しくなってきている。

 実は昨年来、富士をホームコースとするトヨタ勢が富士で強く、鈴鹿をホームコースとするホンダ勢が鈴鹿で強いという傾向が見えていたのだが、今年はどうも様子が異なる。走り慣れたコースで、走り慣れないライバルをやっつけたところで、彼らのような育ち盛りの選手にとってそれを実力というのはいかがなものかと疑問に思い続けてきたが、今年の上位選手は、どうもコースを選ばず成績を残している気がする。単純な習熟を超えた、ドライビングテクニックのなにか真髄のようなものをつかみ始めた選手がいるのではないかと、眺めている方としては非常に興味をそそられる事態である。

 シリーズ全18戦中10戦を終えた時点でランキングトップはシリーズポイント118点を獲得した国本だが、2位には114点を獲得した田中誠也が肉薄している。シリーズ第5戦を迎える段階ではランキング首位の国本が72点に対し田中は36点のランキング4位とダブルスコアで劣勢にあった。国本はトヨタ系で教育の行き届いたはきはき、キビキビした受け答えをする選手であるのに対し、田中はホンダ系でどこか野性的な茫洋とした雰囲気を醸し出す、その対比も面白い。この二人、いやその他の選手たちが果たしてどんな決着をつけるのか、今季のFCJにも注目をいただきたい。

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