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ムエタイの世界標準?
WBCの格闘技進出。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byYukiyo Fujimura

posted2007/07/26 00:00

ムエタイの世界標準?WBCの格闘技進出。<Number Web> photograph by Yukiyo Fujimura

 WBCムエタイをご存じか? プロボクシングの中では最も加盟国が多いWBC(世界ボクシング評議会)の一部門で、2年前に設立された国際的な組織だ。現在世界にはキックボクシングやムエタイの世界王座を認定する組織が無数にあるが、権威を考えたらWBCムエタイには及ばない。この組織の会長に就いているのは、WBC全体の副会長も務めるゴーウィット・パックディープーム氏(タイ)だ。

 「数あるマーシャルアーツの中でムエタイはひじょうに有益な格闘技。しかし、いくつかの国ではそれが別な形で紹介されているのが現状です。キックボクシングやK―1がいい例でしょう。そうした中、ホンモノのムエタイを紹介できたらという思いが高じて、この組織を設立したわけです。WBCの力を借りてね」

 素人にはわかりづらいが、ムエタイとキックとK―1は似て非なる格闘技。ムエタイは3分5R制で裁かれ、ミドルキックやヒザ蹴りのポイントが高い。K―1では反則のヒジ打ちもOKだ。ルール的にキックはK―1とムエタイの中間といっていい。WBCという後ろ楯を持っているゴーウィット氏の鼻息は荒い。

 「ボクシング同様、将来的には161カ国の加盟を目指したい(現在は100カ国強)。今後はWBC認可のムエタイの試合が認められていない日本でも開催できるように積極的に働きかけていく」

 日本でWBCムエタイの試合が組めないのは、WBCと日本ボクシング界の結びつきが強いせいだといわれている。JBCはK―1やキックなど他のプロ格闘家がプロボクシングに出場できるようなダブルライセンス制を認めていない。

 もっとも日本での開催でなければ、日本人選手が絡むWBC認定試合も問題はない。来る9月8日、米国ロサンゼルスで行われるWBCムエタイのビッグイベントへの出場オファーが、前全日本フェザー級王者で“右の殺し屋”の異名を持つ山本元気のもとに舞い込んだ。WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者ゲーオ・フェアテックスへの挑戦。かつて日本でゲーオに辛酸を嘗めさせられ、以前からWBCムエタイに興味を抱いていた山本は即決した。WBCという名の権威は絶大。山本の挑戦に日本中の軽量級キックボクサーは色めきたっている。

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