SCORE CARDBACK NUMBER

世界の強豪と戦うには、Jの笛を世界基準に! 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

PROFILE

photograph byMichi Ishijima

posted2007/01/11 00:00

世界の強豪と戦うには、Jの笛を世界基準に!<Number Web> photograph by Michi Ishijima

 「2006年で日本代表にとって最も重要だった試合は?」と質問したなら、ほとんどの人はドイツW杯のオーストラリア戦と答えるのではないだろうか。もし勝利していれば、あれほど惨めな大会にはならなかったはずだ。

 敗因としては、両国の監督の差をあげる声が多い。ジーコが小野伸二を投入してチームを混乱させたのに対して、ヒディンクの交代はズバリ当たった。ヒディンクは普段の紅白戦のときから、「今から0対1で負けている状況だ!」と叫んで、点差を考えた練習をしていた。そのときケーヒル→ケネディ→アロイージという順番で投入して、布陣を次々に変化させることも徹底。日本戦の展開は、まさに普段の練習どおりだったわけだ。

 しかし、オーストラリア戦のビデオを繰り返し見ると、それ以外にも日本には問題があったことに気づかされる。

 DFの寄せの甘さだ。

 ヨーロッパのリーグにおいて、ポストプレーは、FWとDFのぶつかり合いだ。DFが後ろから全体重をかけて体当たりするのに対して、FWは全身の筋肉を使って衝撃に耐える。だが、オーストラリア戦を見る限り、日本のDFはポストプレーのとき、相手をただ後ろから見ているだけで、肉体的な圧力をかけようとしない。だから、ビドゥカは楽にボールをさばくことができた。なぜ日本のDFには、激しさが足りないのだろう?

 今季、バーゼルでDFにコンバートされた中田浩二は、ヨーロッパの舞台でセンターバックとしてプレーするうちに、Jリーグのある問題に気がついたという。

 「Jリーグでは、ちょっとでも後ろから当たろうものなら、審判が笛を吹く。それに慣れているから、いざAマッチになったときに相手を激しくチェックできないんですよ。国際レベルで闘えるようになるには、審判も変わる必要がある」

 Jは世界でも稀に見る接触プレーに敏感なリーグだ。12月9日の天皇杯では、広島のペトロヴィッチ監督が「あれはバスケでも反則ではない」と嘆いていた。もしW杯優勝を本気で目指すのであれば、判定というサッカーの土台は世界基準に合わせておくべきなのではないか。いくらJリーグが強くなっても笛の質が違うのであれば、2010年の南アフリカ大会でも同じ過ちを犯してしまうだろう。

ページトップ