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明かされたチーム構想。JKが下した決断とは。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byTamon Matsuzono

posted2007/08/23 00:00

明かされたチーム構想。JKが下した決断とは。<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

 そう言い切っちゃうの?

 指揮官を囲んだ取材陣は、思わず互いを見合わせていた。

 「これはW杯最初の2試合を戦うメンバーです。W杯を成功させるには最初の2試合が大切。しっかり準備するために、早くメンバーを固めることにしました」

 8月7日、W杯に向けた壮行試合直前合宿初日。厳しい日差しの照りつける千葉県・日本エアロビクスセンターで行われた練習後、日本代表のカーワンHCはまったく躊躇せずにそう言い切ったのだ。

 確かに練習では「チーム・オーストラリア行くぞ!」「次、チーム・フィジーのアタック!」といった言葉が飛び交っていた。それでもW杯初戦まではまだ1カ月。「まだテスト段階」「確定したワケじゃない」などの穏当なコメントを予想していた取材陣は、明け透けなJKの言辞に唖然としたのだった。

 W杯には2チームで──これはJKが春先から示唆してきたプランだった。それは往々にして、勝利を望める相手(フィジーとカナダ)に主力を投入し、勝ち目の薄い相手(豪州とウェールズ)には控え組を当てることと解釈されてきた。

 だがJKは首を振った。

 「そういう意味じゃない。僕はバランスの取れた2チームを作れたと思ってる」

 W杯本大会で日本は豪州との初戦の後、中3日でフィジーと、ウェールズ戦の後は中4日でカナダと、ともに相手より不利な日程での戦いを強いられる。現実を見据えた上で、強敵に挑む矜持を失わないために──JKは二兎を追う難題に挑んだ。初戦の豪州にはアキレス腱断裂から復活した大畑大介と小野澤宏時の両エース、核弾頭の侍バツベイら歴戦の猛者を並べてケレン味なく挑む。次のフィジーには箕内拓郎主将やLO大野均、CTB大西将太郎ら春のシリーズで主力だった選手を軸に必勝を期す。なるほど甲乙つけがたい。残る2戦はその後の話だ。

 成功は約束されていない。負傷等による軌道修正もあるだろう。メンバー予想というファンとメディアの愉しみを奪われるのは悲しい気もする。だが「今からターゲットを絞って準備できるからかえってやりやすい」(箕内主将)と選手が思うなら、それはプラスに作用するはず。

 W杯ではもしかして、もっと大きなサプライズに出会えるのだろうか?

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