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20周年を迎えたプロ修斗
その歴史と新しい展開。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2009/05/28 06:00

20周年を迎えたプロ修斗その歴史と新しい展開。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 プロ修斗20周年を記念する『修斗伝承』(5月10日・JCBホール)は活力に満ちた大会だった。盛り上がった最大の要因は、DREAMや戦極などのメジャーイベントすら組めない魅力的な対戦カードを組んだことだろう。

 今年1月まで戦極を主戦場にしていた五味隆典と修斗世界ウェルター級王者の中蔵隆志の一騎討ちや、戦極とDREAMの対抗戦と話題を呼んだ廣田瑞人vs.石田光洋の一戦は、どちらのマスリングとも付き合いのある修斗だからこそ実現できた勝負性の高いマッチメークだった。

“火の球ボーイ”五味が帰ってきた!

 しかも、いずれも期待以上の試合内容だったから、掛け値なしに超満員の観客で埋まった会場は爆発を繰り返した。五味と中蔵は両者とも途中で片目が塞がるほど殴り合う壮絶な一戦となったが、2回終了間際ボディブローを効かせた五味がTKO勝ちを収めた。久々のらしい勝ち方に、火の玉ボーイは童心に帰ったかのような笑顔を見せていたのが印象的だった。試合後は自分が育ったリングで闘えた喜びを強調した。

 振り返ってみれば、五味だけではなく、廣田や石田も修斗出身。選手としてのベースは、アマチュアもある修斗のリングでコツコツと作り上げた。彼らだけではない。桜井“マッハ”速人、山本“KID”徳郁、青木真也、宇野薫、川尻達也、日沖発ら現在のマスリングで活躍中の大半は修斗出身者なのだ。修斗がなければ、日本の総合格闘技は成り立たないといっても言い過ぎではあるまい。

修斗のリングには自由な雰囲気が漂っていた。

 歴史を感じさせたのは、大会の途中で行われた20周年記念セレモニーだった。コールとともに歴代王者が次々とリングに上がる。さらに修斗出身で他団体で王者になったり、活躍した選手も続いた。以前の修斗には一部の他団体や組織を認めない風潮もあったが、もうそんな閉鎖的な時代ではない。パンクラスやDEEPの王者もいる修斗のリングには自由な空気が漂っていた。今大会で修斗は老舗としての底力を見せつけるとともに、画期的な開放政策を打ち出したといえる。

 修斗の次なるビッグイベントは、今秋10年ぶりに復活することが決定したバーリトゥード・ジャパンになる。この古くて新しいイベントを舞台に、五味vs.中蔵や廣田vs.石田以上の熱を帯びた夢の対決を実現させてほしい。

■関連リンク► 【復帰戦直前インタビュー】 山本“KID”徳郁 神の子、再臨。
► 五味隆典、三段重ねの復活劇。

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