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開幕戦の圧勝に見た、
ストーナーの底力。
~モトGP800cc時代最後の王者へ~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph byGetty Images

posted2011/04/10 08:00

ストーナー、ロレンソ、ペドロサ。表彰台には、今季の王座を争うであろう3人が並んだ

ストーナー、ロレンソ、ペドロサ。表彰台には、今季の王座を争うであろう3人が並んだ

 ドゥカティからホンダに移籍したC・ストーナーが、移籍後初レースとなった開幕戦カタールGPで、見事、ポール・トゥ・ウインを達成した。

 チームとマシンを変え、さらに初レースで優勝するのは容易ではないが、ストーナーはホンダからドゥカティに乗り換え王者となった'07年に続き、2度目の快挙となる。

 ホンダのマシンは昨シーズンから速かった。エースのD・ペドロサが4勝を挙げており、後半戦の日本GPで怪我をしなければ、タイトル争いは最終戦までもつれ込んでいたはずだ。ストーナーが移籍を決断したシーズン前半より、シーズン後半のRC212Vは格段に性能が上がっていた。マシンのポテンシャルは、移籍を後押しするのに十分なものだったといえる。

これまでに無い余裕の戦い方で証明したライダースキルの高さ。

 そのホンダに乗り換えたストーナーは、初テストとなった昨年11月のバレンシアで、いきなりトップタイムをマークする。さらに、2月のマレーシア、3月カタール合同テストでもライバルを圧倒。ホンダ勢でもトップの座を守り続けた。マシンについてストーナーの言葉を要約すれば、「ドゥカティは速いけれど神経質で高い集中力が要求される。対してホンダは、ドゥカティと対等の速さで、かつ乗りやすく疲れないバイクに仕上がっている」ということになる。

 その特性を最大限に活かし、ストーナーは速さに加え強さを身につけた。ドゥカティでの勝ちパターンは速さを活かしての先行逃げ切りだった。しかし、カタールでは必死についてくるペドロサを先行させて様子を窺い、中盤に一気にペースを上げて引き離した。これまで見せたことのない余裕の戦い方で、ライダースキルの高さを改めて証明することになった。

 これまでV・ロッシは、ストーナーを「速さは文句なし。しかし、同じミスを犯す」と評価してきた。同じミスとは首位を走っていて転倒することを指すが、ドゥカティで犯してきたミスは、どうやらホンダではあてはまらないようだ。

 モトGPは来季から1000ccで戦われる。800cc最後の年のチャンピオン候補に躍り出たのは、間違いなくストーナー。奇しくも800cc時代の初代王者である。

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