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またも日本一になれず。福原愛がぶつかる高い壁。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2007/02/08 00:00

 卓球の日本一を決める全日本選手権が1月21日まで東京体育館で開催され、男子シングルスは17歳の水谷隼(青森山田高)が史上最年少で優勝し、女子は平野早矢香(ミキハウス)が2大会ぶり3度目の優勝を飾った。注目の福原愛(グランプリ)は6回戦で藤井寛子(日本生命)に敗退。またしても日本一の称号を手に入れることはできなかった。世界ランキング13位の福原にとって全日本は優勝して当たり前の大会なのに、なぜか勝てない。相性が悪いと言ってしまえばそれまでだが、理由はそれだけではないだろう。テンポよく速いピッチで攻めるスタイルを信条とする福原は、自分が格下になる国際大会ではその速いピッチで相手を揺さぶり、結果を残してきた。だが、受けて立つ立場となる国内大会では相手に研究されやすく、なかなか自分のリズムで試合をさせてもらえない。強烈なドライブで攻めまくる藤井には昨秋の荻村杯でも敗れているが、今回も工夫らしい工夫はなく、同じようなパターンで敗れた。「藤井さんへの苦手意識が消えなかった」と言う本人以上に危機感を募らせたのはコーチ役の父・武彦さんで、「力が落ちている。重症だ」とバッサリ切り捨てた。

 今の福原の状態がスランプなのか、ただ単に相性が悪いだけなのかは、軽々しく判断はできない。ただ、最近の福原は、何が何でも勝つという気迫がプレーからも言葉からもあまり感じられないことが気になる。もともと大言壮語するタイプではないし、闘志を内に秘めるのもいいのだが、もっと勝つということにどん欲になり、時には大風呂敷を広げて自分で自分にプレッシャーをかけることも必要なのではないか。

 更に言えば、同じ相手に何度も負けるということは、練習内容にも問題があるのかもしれない。北京五輪が1年半後に迫ったこの時期にプレースタイルを替えることが得策だとは思わないが、たとえば中国だけではなく欧州式のトレーニングも取り入れてみるなど、やるべきことはいくらでも考えられる。同じ女子シングルスでは13歳の中学2年生、石川佳純(ミキハウスJSC)が最年少でのベスト4入りを果たした。下の世代にも着実にスター候補は育ちつつある。今の福原に、立ち止まっている暇はないはずだ。

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