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逆風をばねに輝きを増すノア。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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posted2009/02/12 00:00

 プロレスは社会の合わせ鏡。三沢・ノアも例外なく、不況という現実を突きつけられた。

 日本テレビが「プロレスリング・ノア」中継(日曜深夜1時20分~)の地上波放送を3月末で打ち切る(CS放送の日テレG+では継続)決断を下した。馬場・猪木時代には「プロレスは不況に強い」という言い伝えもあったが、すでに遠い夢物語となってしまったようだ。

 苦難の船出となった'09年だが、ノア勢の結束は固い。実力者秋山準を前面に押し出し、失地回復に懸命なのだ。2月15日からツアーが開幕、3・1日本武道館での王者佐々木健介vs.挑戦者秋山のGHCヘビー級王座戦では、外敵から一気にベルト奪還というムードが高まっている。

 「俺、40だよ。オッサンじゃないか。後のやつらに頑張ってもらわないと……」

 秋山は本気で語気を荒げるが、小橋建太戦だけに闘争心を燃やしていた男が、会社の危機に直面してようやく眠りから目覚めたのだ。

 12・7日本武道館で150kgの巨漢・森嶋猛をスタンド式フロント・ネックロックでねじ伏せ王座挑戦権を獲得。新日本の1・4東京ドーム大会では仮想・健介の中西学をリストクラッチ式エクスプロイダーでぶち投げての勝利。得意技の切れ味は際立っている。

 秋山がやる気を出せば、次の世代も負けていない。9カ月に及ぶ米国遠征から帰国した期待の若武者・27歳の潮崎豪。髪を伸ばし、102kg前後だった体重を110kg台に乗せ、見るからにたくましくなった。「帰ってきたからには結果を出したい」の言葉通り、1・12の開幕戦では佐野巧真、1・20、21の横浜赤レンガ倉庫2連戦では元GHCタッグ王者の本田多聞、元GHCヘビー級王者の力皇猛を立て続けに破ってシングル3連勝。実力あるベテランの包囲網を突破した若いパワーは十分評価できる。当然、3・1の勝者にチャレンジャーとして名乗りを挙げてくるだろう。

 潮崎の躍進で怪物くん・森嶋も目の色を変えてきた。右肩負傷で欠場していた'07年モーリシャス杯優勝者、谷口周平も半年ぶりに復帰。停滞気味だったノアのヘビー級が、「秋山超え」というテーマで一気に盛り上がる、そんな期待が十分感じられる'09年である。

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