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W杯まであと2カ月!ゲルマン人の心意気。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2006/04/20 00:00

 ドイツ人の第一印象といえば「頭が固くて、とっつきにくい民族」。

 そんなイメージを覆そうと、ドイツは今回のW杯で外国人ファンの受け入れに相当気合を入れている。

 まず鉄道。W杯期間中乗り放題のチケットを、349ユーロ(約5万円)という格安の値段で発売した。各自治体もファンを安値で泊めてあげようと知恵をしぼり、ドルトムントではスタジアム横のホールにファン・キャンプを作った。1泊35ユーロ(約5000円)と、長期滞在のファンはかなり出費を抑えられそうだ。

 ドイツでは日曜日は商店を営業してはいけないという法律があるが、それもW杯期間中は凍結される。ドルトムントやケルンのある地区では、24時間営業も許可された。普段の生活スタイルを曲げてまで、サービスしようとしている。

 スタジアムの安全もバッチリ。今年1月、ドイツの商品管理協会がスタジアムの抜き打ち検査を行い、12のスタジアムを「問題なし」「まあまあ」「難あり」の3等級に分類した。たとえばベルリン・オリンピックシュタディオンは「スタンドとピッチの間にある深さ2.5mの溝が危ない」とダメ出しされた。「有事のとき、スタンドからピッチに移動できず、壊滅的なパニックが起こる可能性がある」(調査レポート)というのが理由だ。

 組織委員会は「余計な口を出すな!」と激怒したが、結局、スタジアム側が溝に30もの橋をかける追加工事を行うことになり、ファンの安全性を優先した。カイザースラウテルンでは、犯罪防止を目的に、街中に30台の監視カメラを設置するし、全てのスタジアムの上空をNATO軍が監視する。安心してサッカー観戦ができそうだ。

 こういう開かれた雰囲気に影響されたのか、来季からブンデスリーガは“外国人枠”を撤廃することを決めた(その代わりに各クラブは、ドイツ人12人と契約しなければいけない)。スペインやイタリアが非EU選手の制限を厳しくするなか、異例の決定である。もしドイツW杯で日本選手が活躍すれば、ブンデスリーガへの大量移籍も夢ではない。

 今回のW杯のスローガンは「友だちをつくろう」。ドイツ人らしからぬ(?)ホスピタリティのおかげで、この大会は温かいムードに包まれそうだ。

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