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26歳の若虎が駆け上がる、
三塁打王への道のり。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2007/09/06 00:00

26歳の若虎が駆け上がる、三塁打王への道のり。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「自分の特徴はアグレッシブであること。いいも悪いも成績に反映されるのは当然だよ」と、フルシーズン2年目のカーティス・グランダーソンは語る。リーグ2連覇、'84年以来のワールドシリーズ優勝を目指すタイガースの1番打者である。野太い声は迫力があるが、口調も表情も穏やかで、知的な印象を受ける。

 インディアンスとのデッドヒートが続き、ツインズがジワジワと差を詰め、三つ巴になる可能性も秘めるレース展開の中で、目を見張るのはこのグランダーソンの成長だ。打撃3部門全てで昨年の成績を上回るペース。何より驚かされるのは、メジャートップの19本もの三塁打を記録していることだ(8月21日現在)。

 「イチローのように特別なスピードがあるわけではないんだ。打席から一塁ベースまでは3.9秒。メジャーの平均が確か4.1秒のはずだから、脚力は多少あるというぐらい。三塁打が多いのは打った瞬間、三塁までいけると感じたらためらわずに走るからだよ。安全のために二塁でストップするようなことはない」

 つまり、アグレッシブないい面が表れての結果なのだ。地元コメリカ・パークの外野が他の球場に比べて広いことから、リーグ記録の26本の更新も夢ではない。

 「記録はともかく、三塁打は凄く気持ちがいいものだ。ワンプレーが長いからスタンドのファンも興奮する。ワァーという歓声が大きくなっていくのを感じながら走ると、こっちも痺れてくるよ」

 一方で自ら語るように、アグレッシブなスタイルはネガティブな面も併せ持つ。それを如実に示しているのが三振数である。昨年は174個でリーグのワースト。今年も116三振を喫している。

 「昨年もそうだったけど、監督(ジム・リーランド)は今もスイングを変えて、三振を減らせとはいわない。むしろ、常に自分のスイングを心掛けなさいというだけ。僕の持っているアグレッシブな面を尊重してくれているということなんだ。自分として心がけていることは、ストライクを取られてから、いかにインプレーになる打球を打つかということ。三振を減らすためにスイングを小さくするのではなく、ボールをしっかり見極めることが大事だと思う」

 26歳の若虎は『三振王』から『三塁打王』へ、鮮やかな変身を遂げつつある。

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