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マスターズ挑戦から
石川遼が得られるもの。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2009/04/06 07:00

マスターズ挑戦から石川遼が得られるもの。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 17歳の石川遼が、いよいよマスターズで戦う。これまでマスターズに招待された選手たちは、オーガスタ・ナショナルゴルフクラブの正面ゲートを入るだけで、心が高鳴ると言っている。

 2000年マスターズで、アマチュア選手として特別招待を受けたのが、オーストラリアのアーロン・バドリーだ。その前年、18歳でアマチュアとして豪州オープン選手権を制したことが評価された。

「マグノリアレーンを通り過ぎていくとき、あー、マスターズに来たんだってホントに実感した。僕は、ついこの間までジュニアゴルファーだったんですよ」

 マスターズという大会は、練習日となる月曜日、門をくぐり、このマグノリアレーンをゆっくりと走る風景から始まる。

 正面ゲートをくぐってクラブハウスへ向かう、およそ300mの並木道の両側に美しいマグノリア(モクレン)が咲き誇っていることから、そう呼ばれている。この道を車で通ることができるのは、招待状を手にした選手だけである。

ニクラウスがボビー・ジョーンズと出会ったように

 そこには世界中のトップ選手たちばかりでなく、ジャック・ニクラスをはじめ、ゴルフ史に残るような、過去のマスターズ勝者たちも集まる。それは、石川にとっては、書物やテレビなどでしか知り得なかった名手たちである。ニクラスに、マスターズの創始者であり、球聖と呼ばれるボビー・ジョーンズに初めて出逢ったときの思い出話を聞いたことがある。

「私が、初めてボビー・ジョーンズに逢ったのは、15歳のときでした。アマチュアの試合に、彼がやってきて観戦していたんです。ちょうど私が最終ホールを上がると彼が来て、明日は、数ホールついて見させてもらうよ、と言ってくれたんです。翌日、私が2アップしているときに、ちょうどジョーンズが父親と一緒にやってきたんです。『あっ、来た』と思った途端に舞い上がってしまって、彼が見ていた3ホールを、ボギー、ボギー、ダブルボギーとして、逆に2ダウンになったんです(笑)。それくらいジョーンズに憧れていましたから、マスターズは単なるメジャーでなく、私にとっては、サムシング・スペシャルだったんです」

 石川の成績にもちろん興味はあるが、若くして世界の一流選手と出会い同じフィールドで戦う経験を、彼がどう今後の糧としていくのか、それが楽しみである。

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