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宝塚記念に参戦!ウオッカの挑戦は続く。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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posted2007/06/28 00:00

 ウオッカ(栗東・角居勝彦厩舎、牝3歳)が成し遂げた、牝馬によるダービー制覇。実に64年ぶりという大偉業で、確率的には生きているうちに一度でも見られたら幸せ、と言っていいぐらいのハレー彗星級の大スターの出現だ。

 オークスか、ダービーか、「どちらに出してくれても、私はうれしくてたまらない」と、谷水雄三オーナーから全面的に采配を任された角居調教師が、「それなら、私自身がよりワクワクするほうを選ばせてもらいます」と冒険を決断したという話も、聞いている側の頬を緩ませてくれる。どちらを選んでも勝っていた、というのはあくまでも結果論。大きなリスクを承知で向かって行った角居調教師の「ワクワク優先」は、競馬ファン全員の夢を大きく広げてくれた。どんなに拍手を贈っても贈り足りないほどだ。

 次の夢は凱旋門賞挑戦。3歳の牝馬が行って通用するのかと思うかもしれないが、データではむしろ「有利」だ。昨年ディープインパクトを並ぶ間もなく差し切ったレイルリンクがそうだったように、ここ10年で3歳馬が8勝という圧倒的な実績。牝馬の活躍も珍しくない。

 その理由は古馬と3歳馬の斤量差であろうと言われている。4歳以上が59.5キロであるのに対して、3歳馬は56キロ。1920年代には60対55と設定されていたことを思えば、3歳馬の力がだいぶ評価されてきたとも言えるが、まだまだ有利は続いている。ウオッカは牝馬なので、さらに1.5キロ引いてもらえて54.5キロでの出走が可能。男より強い女馬が、古馬より5キロ軽い負担重量で走らせてもらえるというのは、それだけでもワクワクしてしまうではないか。

 サプライズは止まらない。ウオッカが宝塚記念(6月24日、阪神競馬場、芝2200m)にも登場するというのだ。この時期はさすがに3歳馬の完成度が低いと判断されて、斤量は古馬の58に対して53。さらに牝馬は2キロ減で、ウオッカは51キロで出走できる。同じく凱旋門賞挑戦を表明しているメイショウサムソン(栗東・高橋成忠厩舎、牡4歳)とはなんと7キロ差で、力関係を計るには絶好の舞台だ。ここを使って10月7日の凱旋門賞にブッツケというのが青写真だろうが、角居師らしい思い切りのよさが、今度も奏功しそうだ。

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