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超高速化の時代を経て、
今季の水着はどうなる?
~「高速水着」は禁止に~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2010/02/23 06:00

超高速化の時代を経て、今季の水着はどうなる?~「高速水着」は禁止に~<Number Web> photograph by KYODO

コナミオープン男子200mバタフライで優勝した松田。大会を通して日本記録は出なかった

 バンクーバー五輪が開幕し、連日熱戦が繰り広げられている。一方で、夏の競技もまた、先を見据えた熱い戦いが始まっている。例えば柔道は、ヨーロッパ各地で開かれている国際大会それぞれに日本代表選手を派遣。その成績が今年9月に東京で行なわれる世界選手権の代表選考にもかかわるだけに、選手たちは必死だ。

 そして競泳もまた、開幕への動きが本格化している。注目されるのは、新しい規定のもとで作られた水着が、どのような変化をもたらすかということだ。

 競泳は昨シーズン、ポリウレタンやラバーなど水を通さない素材を使用した、いわゆる「高速水着」が席巻。とくに昨夏の世界選手権では、信じられないほどの好タイムが続出し、世界新記録は前大会の14個の約3倍にあたる43個。その中には、これまで実績のない選手もいたことから、一昨年の「レーザー・レーサー」に始まった水着騒動は輪をかけて拡大した。

 現場サイドからは、「道具が泳ぐのか」「技術を磨く意味がない」などの批判が相次いだ。こうした現場の意見の影響もあり、世界選手権開催中の昨年7月、国際水泳連盟の会議でラバーなどの素材を禁止すると決定し、新たに規定を設けたのである。

新規定の水着を着用した選手たちは軒並み低記録に。

 国内で、新規定に基づく水着のお披露目となったのは、1月中旬に行なわれたコナミオープンだった。松田丈志、寺川綾らも参加したが、全般に記録は低調に終わり、首をかしげる選手もいた。現実に表れた昨シーズンまでとのタイムの違いに、戸惑いを隠せなかったのだ。

 大会を見守った日本代表ヘッドコーチの平井伯昌氏はこう語っている。

「ネガティブにならないで、力がそこまでだと認識してほしいです」

 当座の戸惑いはやむをえないかもしれない。だが、「これでもとに戻れる」という声があったように、やはりこの2シーズンが異例だったのだ。記録の低下は、道具に頼らない、本来の競泳の姿を取り戻したことを意味している。

 2月末には、日本代表選手たちがそろって出場する日本短水路選手権が行なわれる。選手たちが問われるのは、練習の質や量、技術向上への取り組みである。その泳ぎに注目したい。

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