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高田チルドレン大活躍。大穴ヤクルトに注目せよ。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2008/04/17 00:00

 巨人の選手の年俸総額は約53億円、一方、ヤクルトの年俸総額は約22億円。おまけにエース(昨季16勝のグライシンガー)と4番(昨季29本塁打のラミレス)を引き抜かれたチームを任された高田繁監督は、シーズン前、「何も恐いものはなし。かえって思い切りやれるよ」と語っていた。その開き直りそのままに、ヤクルトは巨人との開幕3連戦で50年ぶりの3連勝を果たしたのだ。

 そんな高田ヤクルトのスタートダッシュを支えた脇役が3人いる。それぞれが高田イズムによって復活した、いわば「高田チルドレン」である。

 1人めは1番打者として立派に牽引役を果たした川島慶三。藤井秀悟、坂元弥太郎、三木肇と交換で、日本ハムから橋本義隆、押本健彦とともにやってきた内野手である。昨年まで日ハムのGMをやっていた高田が目をかけていた選手で、「出血覚悟で藤井の名前を出したら乗ってきた」という古巣のチーム事情を熟知した上でのトレードだった。

 守りに不安がある飯原誉士をレフトに戻し、川島を三塁に据える。これは高田がキャンプ中から話していたふたりを生かすための構想だったが、そこからは嬉しい誤算。川島は、高田に「あそこまで化けてくれるとは」と言わせるほどの打撃を見せ、オープン戦で打率3割8分9厘、出塁率4割5分2厘と抜群の数字を残し、レギュラーを勝ち取ったのである。

 2人めは2番を打つ田中浩康。昨季、リーグ最多犠打51をマークした男だが、今季は川島の加入で目の色を変え、飯原、川島の1、2番という高田構想に待ったをかけた。後で「去年のベストナインだし、野球を知ってる田中を外すわけがない」と言った高田もしたたかだが、おかげで田中も開幕3戦で8安打と絶好調だ。

 3人めは捕手の福川将和。古田敦也監督の下では今ひとつブレイクできずにいたが、高校の先輩である高田に、「高校出は頭より体を使え」と声をかけられ肩の力が抜けた。「グライシンガーの球は去年受けていたから球筋は分かっていた」と、第2戦で元同僚を打ち込み、3戦目では満塁本塁打を放っている。

 「カネ持ちに対するヤキモチかもしれないが、とても痛快」と言った高田監督。今年は、神宮の杜に何度も花吹雪が舞う予感がする。

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