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世界Jr.アベック優勝。充実の日本フィギュア。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2005/03/31 00:00

 トリノ五輪の前哨戦となる世界フィギュアスケート選手権がモスクワで行われた。五輪代表争いは今回出場した荒川静香、安藤美姫、村主章枝を中心に熾烈を極めそうだが、一つだけ残念なことがある。3月初めに行われたジュニアの世界選手権で優勝した浅田真央が、年齢制限のためにトリノ五輪に出場できないのだ。国際スケート連盟(ISU)の規則では、トリノ五輪に出場する選手は今年6月末までに15歳になっていなければならない。1990年9月25日生まれの浅田はわずか3カ月足りず、今回は無念の“対象外”となってしまった。

 今の浅田の演技はシニアでも十分に通用する。世界ジュニアで優勝した時の得点は179・24で、荒川が今季のグランプリファイナルで2位に入った時の得点を19点も上回った。課題と言われていた表現力でも高得点が並び、日本スケート連盟の城田憲子強化部長をして「今の真央をトリノに出したいぐらい」と言わしめた。実は以前、ISUの規則には「15歳未満の選手が世界ジュニアで3位以内に入った場合には、そのシーズンの世界選手権に出場できる」という特別条項があった。この条項を復活させて五輪に適用するウルトラCも考えられないことはないが、現実的には難しい。もちろん、次の2010年バンクーバー五輪でも十分メダルを狙えるが、できれば今回出たかったというのが浅田の本音だろう。

 世界ジュニアでは男子の織田信成も優勝した。日本ではあの織田信長の末裔(17代目)ということで話題となったが、「座頭市」をイメージした重厚な演技は世界の審判の間で高い評価を得た。「絶対に天下を統一してみせる」と言いきる強気な性格はまさに信長譲りで、関係者の期待は大きい。こちらは浅田と違って年齢制限の問題がないので、トリノの代表争いにも絡んできそうだ。

 日本スケート連盟は毎年夏にトップ選手中心の合同強化合宿を行い、同時にジュニアを対象とした「全国有望新人発掘合宿」を開催して才能の発掘に努めてきた。その効果は確実に表れつつある。採点競技のフィギュアでは過去の実績がものを言うだけに、ジュニア時代に名前を売っておくことは重要な意味を持つ。浅田や織田がピークを迎えるであろう、5年後のバンクーバー大会が今から楽しみになってきた。

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