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元祖イタリアの天才、M.ビアッジ好発進。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

posted2004/05/20 00:00

 M・ビアッジが、第2戦スペインGPで100回目の表彰台を達成した。'92年に250ccクラスでデビューして以来、足かけ13年目での到達。現役選手では、もちろん最多記録である。

 開幕戦・南アフリカGPでは、V・ロッシと壮絶な戦いを演じ、雨になったスペインGPでも、S・ジベルノーと優勝争いをした。ともに勝てなかったが、ビアッジの走りは明らかにチャンピオン候補に相応しいものだった。そして2戦連続の2位という成績は、彼が今シーズンの主役に浮上したことを感じさせるものでもあった。

 デビューの頃から、その鋭い走りは“天才”と呼ばれた。4回のタイトルを獲得した250ccクラス時代はもちろんのこと、500ccクラスでもデビュー戦優勝という快挙を達成している。ロッシの記録ばかりに注目が集まっているが、ビアッジの残してきた記録も決して引けを取らないのだ。

 ただ、二人の違いは、25歳のロッシが、まだまだこれからの選手であり、32歳になったビアッジが、もうピークを過ぎたと言われているところだ。宿命のライバルと言われたのはすでに過去の話であり、人気はもちろん、実力でもロッシに敵わないというのが大方の見方でもある。実際、ビアッジ自身もそういった雰囲気を感じ取っているようで、この数年が自分にとってラストチャンスだということを認めている。その一方で、現状の力に関しては、そうは思っていない。ロッシがヤマハに移籍した今、チャンピオンシップをリードするのは、勝てるホンダのバイクに乗る自分だという自信に満ち溢れている。

 スペインGPで2位に終わった後、ビアッジは「(開幕戦に勝利した)'98年のシーズンのように、今年は最高のスタートが切れている」と笑みを浮かべた。自分の乗り方に合ったデリケートなマシン作りをするビアッジは、これまでも、シーズン序盤のもたつきがタイトル争いを厳しいものにしてきた。今年も決して100%の仕上がりではないが、2戦を終えての結果には、これまでと違うシーズンだという手応えを感じているに違いない。

 ロッシとヤマハを中心にスタートした2004年だが、ホンダは2戦目にして早くも表彰台を独占した。そして、ビアッジの執念は白熱のシーズンを演出しようとしている。

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